鉱山会社の仕事に関わってしまったり、土地を売ってしまう人たちは「村での生活を守る」という気持ちが、「お金を得られる」という事実に負けてしまっているだけなんだということを強く実感しています。
事実、土地を売ってしまったドン・ホルヘさん夫妻は、村を離れてオタバロに暮らしていたのですが、畑が心配で月に2回は村に戻ってきていました。
5月20日に行われた集会(写真)には鉱山反対派の一員として集会に参加し、複雑な心境が伺われました。ホルヘさんは入植時に両親と共に村に住み始めた人で、村人の
お父さん、お母さん的な存在でした。
またドン・ボリバルさんも日曜日には相変わらず村人と共にエクアボリーに参加しています。村人も複雑な心持ちで共にエクアボリーに参加しているのですが、決してここでの生活がイヤになって鉱山会社の仕事をしているわけではないことが伺われます。
彼は車を持っているのですが、村内ではもう一人アリリオさんだけが車を持っています。バスが村の近くまで入ってこられないこの時期、バス停までの運送はとても重要なのですが、車の運転に慣れていなかったドン・ボリバルさんは村人の信用をなかなか得られず、ほとんどの人がアリリオさんに頼んでいました。
そのために、自分は鉱山会社で働く人たちを送り迎えする仕事をしているだけだと彼自身が語っています。仕事を得たいという思いと、アリリオさんばかりに頼んでいるからだという嫉妬心から仕事を始めたということです。【横山理絵】