とがび参加作家の門脇です。7/24のつづき。キッズ学芸員からのレターへの返答として、私は次のようなプランを送りました。
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プラン「毛糸傘下」
〜「とがび・温泉祭りプロジェクト」のために〜
●担当キッズ学芸員のみなさんへ
「門脇篤、温泉祭りプロジェクト」を提案くださり、ありがとうございます。たいへん心おどるようなタイトルと提案内容に、今から実施が楽しみです。
先日も(汚い字で)簡単なプランをこちらからも提案いたしましたが、今回はもうすこし具体的な内容と、みなさんにお願いしたい内容とをお送りします。
これはあくまで提案で、私の出したものよりいいアイデアがあればそれを採用したいと思いますし、作品そのものについてだけでなく、作品の見せ方や来場者への説明の仕方、他の作品との関連性など、総合的に作品についていっしょに考え、プロジェクトをいいものにしていきましょう。私の気付かない点などたくさんあると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
●私がやりたいと思う企画
「とがび2006」では毛糸をメインに使い、これを落下させる作品「毛糸傘下(けいとさんか)」を制作・展示したいと考えています。これは提案していただいた「温泉祭り」の花火をイメージしたもので、落下させるという原理的には同じものを2つ、異なる場所、異なるねらいをもって制作・展示したいと思います。
1.毛糸傘下:夜
設置場所:教室。どこか適当なところをおさえてください。できれば天井が高く、「落下」の瞬間をみんなが入れる場所がいいのですが、そこは適当に。天井からバスケットをつり、初日の朝にみんなを呼んで「落下式」を行います(初日の10時頃はどうでしょう)。開催を校内放送で流してもらったり、マップやチラシに載せてもらうようにしてください。
白い毛糸を落下させ、これにライティングをすることで、花火のイメージをつくりだします。音楽を流したいと思います。私は先日送ったような曲を考えています。みなさんのふさわしいと思う曲をメドレーで流すのもいいかもしれません。ラジカセの確保をお願いします。天井への設置の方法や、ライティングの方法について、いろいろ検討が必要かと思われます。いいアイデアがあればお願いします。
(写真は「ホワイト大作戦デビュー」宮城県美術館県民ギャラリー、2006年5月)
2.毛糸傘下:昼
設置場所: 美術室前の中庭。中校舎3階ベランダと南校舎3階ベランダとをロープで結び、これにバスケットを設置、落下させます。バスケットは2〜3くらい。あるいはもっと盛大に。中校舎の3階ベランダ(一番千曲川よりの階段前のあたり。去年、紙の馬をつくってもらった辺)と、南校舎3階ベランダ(一番千曲川より)を確保してください。
昼の花火、すなわち夏の終わりといった「はかなさ」や、「一瞬の出来事」を表現しようとする作品です。この屋外での「落下」を、「とがび」のひとつのメイン・イベントになるようにしたいと思います。日時を、他のイベントとのかねあいを考えながら中平先生と相談して決めてください(二日目の午後2時くらいがいいのでは)。そしてぜひともマップやチラシなどに日時や場所などが載るようにしてください(このあたりが学芸員としての腕のみせどころです)。落下後、「とがび」の集合写真を撮りましょう(このへんの段取りも中平先生と打ち合わせ、お願いします)。設置方法についてはノウハウがあるので大丈夫ですが、当日、中庭に車が入らないように学校側と交渉してください(立ち入り禁止の札を立てるとか)。
●終わりに
本作品は、提案いただいたように「温泉祭りプロジェクト」であり、私が表現したいと思うのは、その妙に明るい感じとはうらはらに、終わってしまったときのうらさびしさや楽しいときのはかなさといったものです。
が、「温泉祭りはそんなんじゃない」とかいう話もあるかと思います。また、私のこのプランを読んで、ここをこうした方がもっとよくなるんじゃないか、あるいはもっとうけるんじゃないかといったアイデアがふつふつとわいてきたかもしれません。
プロジェクトをよりよくするために、遠慮なくご意見ください。
それではよい夏休みを(しっかり受験勉強もしてください)。
みなさんに「とがび」でお会いするのを楽しみにしています。
(写真は「せんだいアート・アニュアル」せんだいメディアテーク、2005年11月)