山を手入れし、大切にすることは、山の恵みたるお湯をまもり、流れる川をまもり、田畑をまもり、やがては海をもまもることになる、という壮大なスケール感と、3世代くらいにわたってこれをつづけていこうという遠大なる時間意識をもって東鳴子ゆめ会議の新たな取り組み「山守り湯治」が、今日スタートしました。
話の発端は40年前にさかのぼります。当時まだ若き青年実業家だった高友旅館の若社長に、旅館大沼のおじいさん(3代目湯守)が、「あんたんとこの山は杉ばっかりでおもしろくないなぁ」と言ったそうです。
やがて時はたち、旅館大沼も東鳴子ゆめ会議をたばねる5代目湯守・大沼伸治さんの代へ。大沼さんは今年あたりから山をまもる取り組みをしたいと思い、山の持ち主であるかつての高友旅館の若社長、現在も現役バリバリの大当主に会いに行ったそうです。
すると先のエピソードを語られ、実は最近、杉の木を切ったから、自分も木を植えたいと思っていた、湯治場から見て楽しめる山桜や紅葉、拾って楽しめる栗などの広葉樹を植えたいと考えているとのこと。
助成金もおり、満を持してのスタートとなったわけです。
今日の作業は下草刈りとサインボード立て。山には山道があって、のぼっていくと湯殿山神社があり、ここからのながめは最高です。しかしこの時期、草ぼうぼうでしかも立て札のひとつもないので誰ひとりこの絶景スポットを見に来る人もいません。
10人ほどの町の人と湯治客が、草刈機やかまを手に、午前中、神社周辺の草を刈りました。かなり見晴らしがよくなりました。
神社の前で一休みするみなさん。目の前にははるかとなりの川渡温泉まで見わたせる絶景が。
立て札もしっかり立てて、これで湯治客にも一目瞭然です。
「山守り湯治」は9月にはキノコを植えたり、10月には収穫祭を行ったり。
また、山と海を結ぶプロジェクトとして、東鳴子と交流のある同じ宮城の港町・塩竈の方々にも参加してもらったり、ということを予定しています。
詳しいお問合せは東鳴子ゆめ会議まで。
(コメント:門脇篤)