060809 AEDについて

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AEDを知ってる?
Automated External Defibrillatorを略してAED。日本名を自動体外式除細動器という。
簡単に説明すると、異常な心臓に電気ショックを与え、正常に戻す機器だ。

2004年5月までは医療機器で、主にドクターと救急救命士などの特定の人しか使用できないものだったが、2004年6月より一般人でも使用できるようになった。
その背景には、心臓が何らかの原因で停止する心臓突然死の救命率が日本では2%にも満たないという現状があった。
そもそも、2003年まで医師しか使用できなかったが、やっと救急救命士にも使用ができるようになった。しかし、救命率の上昇はかなわず、翌年誰でも使用できるようになった。
その大きな理由を理解するには、心臓突然死の特徴を2つ理解する必要があるだろう。

心臓突然死とは、心筋梗塞等によって心臓が停止してしまうのだが、正確な統計はまだ無いが、日本では推定4-5万人の方が心臓突然死で亡くなっているといわれている。
交通事故死が8千人前後の日本において、その5倍以上の方が年間無くなっている計算になる。それだけ多くの方が心臓突然死によって亡くなっているのだ。ちなみにアメリカ人はなんと、20-30万人の方が、これで亡くなっているといわれる。日本も食の欧米化が進んでいるが、増加傾向にある。

まず、心臓突然死の特徴1。
さて、その心臓突然死のうち、約8割が心室細動になって死亡しているといわれている。
この心室細動は、心臓が痙攣を始めて前身に血液を送ることができなくなり、最後には止まってしまう症状だ。
この恐ろしい症状を、正常に戻す方法は電気ショックしかない!

次に、心臓突然死の特徴2。
この心室細動が発生してから、電気ショックを与えるまでの時間との関係が重要だ。
心室細動が発生してから電気ショックを与えるまで、1分遅れるごとに救命率が10%低下するといわれている。
単純計算だが、10分遅れると救命率は0%、もう助からない!

以上2つの特徴から、一般人でもAEDが使用できるようになったのだ。
すなわち、いくら日本の救急隊が優秀(6分22秒で到着。先進国でも1・2を争う速さ)だといっても、心室細動を救えなくなるには充分な時間がかかってしまう。
医療機関や救急救命士が使用できるだけでは、決して救命率は上がらないのだ!!
そこで、心室細動によって倒れた人の側にたまたま居た人(バイスタンダー)が、すぐAEDを使用して助けることが望まれ、一般人でも使用が可能になったのだ。

この効果はすぐに現れた。昨年の愛知万博で3名の方が、今年都営大江戸線都庁前駅構内で1名の命が救われた。

現在日本でも急速にAEDが普及し始めている。空港や大規模ターミナル駅、公共機関はもとより、多くのスポーツ施設、病院、大規模商業施設、学校などにどんどん導入されている。
これからの課題は、いかに多くの人が使用できるようになるかいかに家庭に配備されるかだろう。

時間との関係が重要だといったが、使える人を探すのに、どこにあるのか探すのに、時間がかかっているようでは、導入されてもあまり意味が無い。
もっと身近にAEDが設置され、みんなが場所も使い方も認知するようになれば、毎年4万人亡くなるうちの半分は救えるかもしれない。
それくらい、多くの可能性を秘めた機器がAEDだ。