8月も後半に入りました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、北海道二風谷(にぶたに)でアイヌ民族がかつて暮らしていた生活の森をとりもどそうと取り組んでいるハチドリさん、貝澤耕一さんをご紹介します。
■わたしにできること:森をとりもどす
貝澤耕一(ナショナルトラスト・チコロナイ理事長)
森を取りもどすチコロナイはアイヌ語で「私たちの沢」という意味です。北海道本来の森を取り戻そうと、1994年から地元の山林を買い取り、再生する活動をはじめています。
アイヌ民族は生活の糧のすべてを自然からいただいていました。今でも山に入って山菜や木の枝をいただくときには、川の神様や木の神様にお神酒とお祈りをささげます。
戦後、北海道の山はオカネになるからと落葉樹ばかり植えられました。その結果、山が荒れ、土砂崩れや洪水が起きやすくなるなど、人間にもツケが回ってきています。
本物の森を取り戻すには200年から300年かかるでしょう。当然私はよみがえった森を見ることはできません。けれども、これから生まれてくる子どもや孫たちのために、今「私ができること」をはじめなければと感じています。