通い湯治10か月番外編「那智の結びまつり・宮城県名取市」

宮城県名取市に熊野那智神社というかなり古い神社があるのですが、ここで来月10月15日(日)「那智の結びまつり」というおまつりが開かれます。今年第一回目のおまつりで、私・門脇も毛糸のインスタレーションで参加します。
主催の「いざなみプロジェクト」は今年6月からこの神社を拠点に活動を始めた団体で、キーワードは「結び」。神社の御神体のひとつがイザナミノミコトであることに由来しており、私に依頼があったのも、旅館大沼に10年来通っているという代表の小濱さんが「GOTEN GOTEN 2006 アート湯治祭」の7月の企画「アートin湯治(AIT)」で、東鳴子の温泉街にえんえんと結ばれた毛糸を見ての縁。

かなり由緒正しい神社で、ロケーションも素晴らしく、以前は華やかなお祭りなども行われていたとのことなのですが、ずいぶん前から人足がとだえ、境内はいたみ、石段やそこからは太平洋も望める立派な門も、いつ壊れるともしれないということで、立ち入り禁止状態に。
神社裏手の山の中にある御神体のひとつである滝を見せられ、私はこれと立ち入り禁止の門とを組み合わせ、作品化しようと思いました。
すなわち、立ち入り禁止になっている門に、白を主体とした毛糸を無数につるすことで毛糸のスクリーンをつくり、これを御神体の滝に見立てようと思います。毛糸の滝のうしろには、稲の実りが美しい名取平野、そして遠く太平洋までがのぞめます。
また、当日駐車場として借りる場所から境内までは400メートルほどの山道があり、ここには五色の毛糸をえんえんと結ぶことで、道しるべにするとともに、神社やプロジェクトのキーワードである「結び」を表現したいと思います。
湯治場からはじまったご縁がまたひとつ。

(コメント:門脇篤