横浜市内の学校へ「出前講座」を始めました!!

スクール・セクハラ防止研修のためには、学校で「参加型の研修」をすることが重要であると考え、メンバーそれぞれが学校での研修会の講師となれるようにと「講師養成講座」などの取り組みをしてきました。そして「男女共同参画センター横浜」の2006年度市民企画講座事業の助成金を受けることができ、7月から、横浜市内の学校へワークショップ形式の「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止研修」の出前を始めました。

横浜市立の学校は515校(小学校354,中学校146,高校9,盲聾養護学校11)。市町村教育委員会として所管する学校数全国第1位で、「規模の大きさ」が大きな特徴のひとつであると言われています。その他、市内には県立学校や私立学校も多くあります。このように、多くの学校がある横浜で出前講座を実施することはとても大きな意義があります。スクール・セクシュアル・ハラスメントを防止するためには、学校単位での研修が効果的ですが、どのような研修をしたらいいのかわからない、研修をどこに頼めばよいのかわからないということも少なくありません。「男女共同参画センター横浜」の市民企画講座であることから、横浜市内の学校(特に大半を占める市立学校)にとって、安心して依頼することができる上に、助成金事業として無料で行うことができるということで、各学校にとって魅力的なことです。

助成金を受けることが決まって、出前講座の案内を横浜市内の学校へ郵送しました。学校数が多く、発送作業は大変でしたが、「SSHP関東ネットワーク」の存在を伝え、出前講座を知ってもらうことができました。当初は、年間6校での実施を計画していましたが、予想をはるかに超えて、7月末現在15校からの申し込みがありました。研修(特にワークショップ形式での研修)に対する需要があるのではないかと思います。
 学校での、セクシュアル・ハラスメントを防止するためには、教師が何気なくとる行動で嫌な思いをしている子ども達がいることに気付くことが大切です。講演型の研修に比べ、ワークショップ形式での研修は、グループでの話し合いや、ロールプレイなどを通して参加者がそれぞれ自分の問題として考えることができます。また、職場単位での研修を行うことは、日頃は職場内で話題にしにくいセクシュアル・ハラスメントについて話し合いをするきっかけにもなり、お互いがどのようなことを感じているのか、考えているのかなどについて理解し合うことができます。

そのような研修会を行いたいと考え、出前講座での研修会を行っています。多くの学校では2時間の研修を行っていますが、参加型の研修に対して、「はじまる前は、長いと思っていたが、参加してみたら短く感じた。」という声がありました。気づきのワークでは、どのようなことがセクシュアル・ハラスメントになるのか、身近な事柄として考え、ロールプレイでは子どもの立場になることの難しさ、大切さを自分自身のこととして感じてもらうことができているようです。
 研修を終えたあとの感想には、「人によって感じ方が違うので、相手の立場に立つことが大切」「子どもが嫌そうな反応をしていたらすぐに謝れるようになりたい」「無意識に同僚をかばおうとする気持ちが働く」等の気づきがあり、研修参加者にとって日常を振り返る場になっているようです。そして、普段職場の中では話題にしにくい性の問題(セクシャル・ハラスメントの問題)について話題にし、お互いがどのような考えを持っているのか理解するきっかけになっているようです。
 私たちにとっても、「百聞は一見にしかず」ということばのように、研修を始めて気がつくことが多くあります。「子どもからスキンシップを求めてくるケースではどうすればいいのか」「実際に、子どもから相談されたらどう対応したらいいのか」等参加者の疑問とのやりとりから、さまざまなことに気付くことができる場であることを実感しています。出前講座を通して、私たち自身がワークショップを行うための力をつけていけるという手応えを感じています。

(スクール・セクシュアル防止関東ネットワーク・ニュースより抜粋)