長野市在住のアーティスト宮沢真さんは、「ながのアート万博」を主宰。「とがび」には一アーティストとして参加するだけでなく、企画レベルでの連携をしてきました。何かをつくるというよりは、ものの見方を変えることを自身のアートと位置付け、長野におけるアート環境をつくること自体をアートととらえています。
今回の出展作「nobodies」は、キッズ学芸員に顔写真をポラロイドで撮ってもらい、それと交換に教室に並べられ、顔の伏せられたひとの顔写真を一枚選び取って、それをもらいうけるというもので、野球部のふたりははじめこそ不慣れだったものの、2日間が終わるころにはてきぱきと来場者をさばいていました。
もらった顔写真はいったい誰のものかわからないものから、知り合いのもの、その辺を歩いているのを見た人のものなどさまざまですが、宮沢さんから聞いたところ、親子で来ていた人が自分の親の写真を引き当てたりといった、この体験を通してしか感じ得ないある種の感覚を呼び起こす作品になっていました。
また、このために、宮沢さんは戸倉上山田のポラロイドフィルムをほとんど買い占めることになったようです。
(コメント:門脇篤)