東京から参加の塩川岳さんのプロジェクトは、戸倉上山田温泉を見下ろす高台にあったとい荒砥城の、実際には存在しなかった天守閣を、キッズ学芸員とともに「復元」するというもの(写真は中平先生)。来年のNHK大河ドラマ「風林火山」にも影響を与えるかもしれません。
使用されているのはレゴブロックなど、塩川さんおなじみの素材で、たいへん美しく、また堂々としたたたずまいを見せていました。
プロジェクト名の副題「麒麟・ドラゴン・UNICORN」について会場にいたキッズ学芸員に尋ねると、「存在しないものの象徴です」と明快な回答。
しかしよく考えてみると、荒砥城天守閣のありえなさと「麒麟」のありえなさは、例えば今日は晴れでもありえたのに実際は曇りだったというありえなさと、どんな天気の日でもヤリはは降らないというありえなさのちがいのような、ありえなさの質的ちがいがあるようにも思いましたが、しかしもっと深い意味があるのかもしれません。
塩川さんは「とがび」に先がけ、木村崇人氏を招いて行われた千曲市立五加小学校での「出前アート大学」(多摩美術大学校友会主催)でもコーディネーターとして活躍され、この成果も「とがび」で展示されました。
なお、復元された荒砥城の回りには3年生の春原くん、斎藤くんコンビによる作品「千曲川」が展示され、絶妙なコラボレーションを演出していました。「千曲川」は、ビニールホースにブラックライトを当てると光る液体を入れて荒砥城の周りにめぐらせたものです。なんともミニマルな作品です。
(コメント:門脇篤)