レポート・とがび2006/山元ゆり子「2006年9月×日の出来事」

京都から3年連続の参加となる山元ゆり子さんは、トラップ・インスタレーション・アーティスト。毎回、「あーっと」(アート)驚く仕掛けに来場者はどぎもをぬかれたり、逆に肩透かしをくらったり。
今回はあたかも楽しいパーティ会場のような教室にいくつかの受付ブースが設けられ、来場者は指示に従って、その日あった出来事を紙に書くブース、それを封筒に入れてもらうブース、封筒にパンチで穴をあけてもらうブース…と転々としていき、封筒を深夜0時に開封するように言われ、笑顔で退場となります。
その夜、戸倉上山田の温泉街を飲み歩いた後、宿で開いた封筒には、果たして昼間に書いたはずの文字はきれいに消えていました。その日にあった出来事は、翌日には消えてなくなってしまう、ということなのかなぁと、その感触と人を食ったような昼間の楽しげな教室とのギャップとを楽しみました。

(コメント:門脇篤