前日の船橋での展示に引き続き、船橋商工会議所で開かれた「船橋まちづくり会議」に参加してきました。愛知産業大の延藤安弘先生を招いての幻灯会(スライドをもちいての語り)と、参加者によるディスカッションからなり、その後のうなぎ屋での延藤先生との意見交換ふくめ、たいへん有意義な1日でした。
延藤先生の幻灯会は2つのスクリーンにスライドを映しながら、例の関西弁による独特の語り口で観客を「まち育て」へと引き込んでいきます。
先生は「町づくり」という言葉を系譜学的に考察し、これがかつて60年代はじめの名古屋栄東地区の布団屋・三輪田さんの言に発すると言います。しかしその町の「おっちゃん」から発せられた言葉が、やがて行政によってうまく利用され、あたかも公共事業や都市計画を意味する用語ででもあるかのようになってしまったのだ、と。そこで「まち育て」という言葉を先生は使うことにしたのだそうです。
延藤先生の言わんとするところは、「まち育て」はそんな難しいことではなく、自分たちでもできる、やろうということ、その「その気」を育てることなのだと思います。そしてそれは東鳴子の若旦那たちを見ていてもまったくその通りだと思います。こんなに軽々とムチャクチャなことを「まぁやってみよう」という集団だからこそ、「東鳴子おそるべし」のうわさは着実に全国へと広がり、一方で走り続けている彼らからすれば、たいへんなことはたいへんだが、そんな超人的なことをしているわけでもない、という生活者感覚でいるのだと思います。
展示準備から展示、そして今日の会議まで、船橋での3日間はコミュニティアート・ふなばしのみなさんのおかげで実に有意義な時間を過ごせました。
ちなみにこの日会議でもキーマンのひとりだった船橋市本町通り商店街振興組合の理事長・中村正直さんは、かつて鳴子ダム関係で鳴子に滞在していたことがあったとか。ここにも鳴子のご縁が。
(コメント:門脇篤)