終の住処 〜ツイ ノ スミカ〜

夕方、おシゴトをしている私のところに、父がやってきて

『庭にスズメが一匹住んでるよ。』

と言いました。

わたしは『?』と思いました。

普通、スズメはハトやツバメと違って人間が暮らす

すぐ側には住まないし、群れで暮らす鳥だからです。

続けて父いわく

『そのスズメ、かなり弱った年寄りスズメかも…。

群れから追い出されたのか、群れについて行けなく

なったのか…庭にあるベンチの柱のハコの中で今、暮らしてるよ』

そっかー・・・。

なんて言いながら、仕事の手を止めて、

肌寒い晩秋の夕日に染まる我が家の庭に行きますと、

いました、一匹のスズメ。

そのスズメは、人間の倍くらいの早さで息をしていました。

…震えているようにも見えました…

だけど、これだけははっきり分かりました。

『このスズメは、精一杯、生きている』って。

私が側に来ても、逃げずに父が作ったであろう、

使わなくなった、小さなバーベルとタオルで作った隠れ家に

ずっと隠れていて、外に可愛いオシリを向けていました。

私はその姿を見て悟りました…

『もうそんなに長くは生きられないな』って。

あまりずっとそこにいると、スズメの精神衛生に悪いので、

そさくさと家に戻りました。

暖かい仕事部屋で

あのスズメ、寒いやろうな…

一匹で寂しいやろうな…

病気か何かで苦しいやろうな…

なんて考え、何とか出来ないやろうか?って、

真剣に考えても、何を出来る訳でもなく、

『生まれたら死ぬ。これが自然の摂理や。』

ということを、痛切に感じただけでした。

ほんと、せつないですね。

今日の午後は、八尾市教育委員会の方や子どもたちの為の

NPO活動をされておられる方と、話ししてまして、

最近やたらとニュースで言われている、

子どもたちが自ら命を絶ったり、親が子を、

子が親の命を奪ったりする事件のことについて、

あれこれ話し、憂えていました。

まだ死にたくない…

生きたい…

そう思いながら、この世を去った・去ろうとしている

かけがえのないたくさんの命たち…そんな命の存在を、

命を軽く捨てたり、奪ったりする人たちに知って欲しい!

私は今、そんなことを痛切に思います。

あれこれ考えてるうちに、家を出て電車に乗り

天王寺駅に着きました。

私が最近参加し始めた、中小企業家同友会の

新人オリエンテーションに参加するためです。

寒い寒いと思ったらもう、

クリスマスシーズンなんですね。

イルミネーションが綺麗ですね。感動☆

ああ今、生きてるってかんじ(^^)

生きてるって、ええなぁー。

私ももっと、知らないとあかんよなー。

命っていうものを。

失ってからじゃー、遅いから・・・。

「生きる」って

「死ぬ」って一体

何やろう?

答えが出ない

それが正解

何かは分からないけれど、

「命」というものが、一番この世で

大切なものでかけがえないの無いものだってことは、分かりました。

人間、動物、植物、物・・・いろんな「命」、

みんなきっと同じ重さだって、

私はそう思います。

命が消えてしまう、その時まで

精一杯生きないとアカンなーって、

スズメに教えられた2006年11月13日でした。