JR古川駅から車で4,5分のところ、七日町にある「緒絶の橋」は、悲恋の歌枕として平安の時代から歌に詠まれている場所です。
ここに昨年5月、かつての酒造所「橋平酒造店」(創業1790年)の大小14におよぶ建物はそのままに、それぞれを店舗や食堂、土産物屋、ホールなどにリノベーションしたのがここ「醸室(かむろ)」です。
地元の郷土料理である「はっと」を出す料理屋「あらい」や、本格的名山形そばの食べられるそば居酒屋「くらの花」、和雑貨一面の「お福さん」、大正浪漫カフェ「カイロノ紫ノ薔薇」に土産物屋「おおさきうめぇもの市場」、そしてもちろん「橋平酒造店」(試飲ができる他、ここでしか手に入らない蔵出しの酒も)など、18ほどの店舗が軒をつらねるまさに郷土空間。レンタルボックスやチャレンジショップなど参加できる商空間も用意されています。
写真が郷土料理の「はっと」。山海の幸をふんだんに盛り込んだスープに、小麦粉をうすく手でのばした「はっと」の食感がなんともいえません。はっと630、おにぎりつきは790。ランチタイムはコーヒー100となります。
そして緒絶川をわたって「醸室」の対岸にあるのが古川市民ギャラリー「緒絶の館」。
こちらは10年前に出来たそうで、外観ほど内部は今風ではありませんが、地域の方の発表の場になっているほか、宮城県主催の「芸術銀河」などの巡回展開催地にもなっています。
中庭にある蔵を利用した展示場所も外観はすばらしいのですが、天井の照明がいまいちで、蛍光灯やらスポットライトのレールやらがせっかくの蔵空間をだいなしにしてしまっています。こういう場所なので、思いっきり照明を落とした空間にするなどのアイデアがほしいものですね。
(コメント:門脇篤)