「外国人障害者バス乗車拒否 仙台市に55万円賠償命令」 (産経新聞12月1日)

外国人障害者バス乗車拒否 仙台市に55万円賠償命令
 外国人の風ぼうや障害者であることを理由に、市営バスに乗車拒否されたとして、パキスタン出身のガンガット・グラーム・フセインさん(60)=仙台市太白区=が同市に165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、仙台地裁であった。

 畑中芳子裁判官は「運転手が人種の違いや、身体障害を理由に暗黙のうちに差別的取り扱いをした」と指摘し、法の下の平等を定めた憲法や人種差別撤廃条約などに違反したと認定。精神的苦痛を与えたとして市に55万円の賠償を命じた。

 判決などによると、フセインさんは来日後に日本国籍を取得、左半身にまひがある。

 平成15年10月、パキスタンから来た友人に会うため、仙台市内でバスを待っていたところ、バス停を約22メートル過ぎて停車した。

 このバスにいったん乗って「荷物を取りにいく」と告げ、運転手も承諾した。しかし、バス停まで戻ろうとすると、運転手が待たずに発車させ、乗車を拒否した。

 判決は「運転手はフセインさんが足の不自由な身体障害者で、人種的な意味で外国人と認識していた」と指摘。「バスの遅れはわずかで、停車による渋滞も引き起こしていなかった」として、運転手の故意または過失による差別とした。

(2006/12/01 07:41)