佐々木正美セミナーのご案内

「生きることは人間関係を続けること」

講師:佐々木正美
(児童精神科医・川崎医療福祉大学福祉学部特任教授)

★佐々木正美氏からのメッセージ
いわゆる軽度発達障害といわれる人と私たちの自身の関係性や連続性のことを、できるだけ多角的に考えてみようと思います。
 私たちは発達障害の人を、コミュニケーションが不得手な人と言います。しかし私たち自身も、ずいぶんとコミュニケーションが下手になりました。70年以上を生きて、子どもや青年や家族の臨床的な仕事に40年以上携わってきますと、そのことがよく分かります。
 幼い子どもが自分の親から、そして老人が自分の子どもから、虐待される事例は増加の一途です。両親が離婚した家庭で育てられる子ども、学校でいじめたり、いじめられたりしている子ども、セックスや携帯でしか他者とつながれなくなった若者、つながれない人のなかで生きることが息苦しくて、一つの職場に定着できない人々、みずからフリーターやニートの状態でしかいられない人や、ひきこもった状態のままになってしまう人など、今私たちの社会には、数え切れない数になるでしょう。
 しかし、そういう状態になっていることを自他ともに認められる人でない人々も、実際にはいろんな程度にコミュニケーション不全の状態に陥っているとは思いませんか。成人精神医学の同僚たちが、かつてならば「対人恐怖症」と呼ばれた人々を、現在は「社会不安症」という言い方をして、対応を考えているのだそうです。
 今日の社会不安は、私たちの対人恐怖的な心理状態を基盤としているところが大きいのです。うつ病や自殺が多い社会の背景は、そういうところにもあるのです。
 そういう時代の中で、生来的にコミュニケーションが苦手な状態で生まれてきた発達障害といわれる人たちは、たとえほかにもって生まれてきたものが高機能ということであっても、どれほど生きにくいことになっているのかということを、この勉強会では考えてみようと思います。それは私たち自身の生き方を考えることになると思います。

★佐々木正美氏のプロフィール
児童精神科医、川崎医療福祉大学特任教授。1966年新潟大学医学部卒業後、69年ブリティッシュ・コロンビア大学医学部児童精神科留学(レジデント)。帰国後、71年国立秩父学園、74年より東京大学医学部精神科に勤務。のち神奈川県小児医療相談センターなどを経て、現職。横浜市総合リハビリテーションセンター参与、ノースカロライナ大学医学部精神臨床教授、日本子どもNPOセンター常務理事。著書に「子どもへのまなざし」(福音館書店)、「いい関係ができる子に育てたい」(新紀元社)ほか多数。

◆開催日時: 2007年 3月22日(木)、23日(金)、24日(土)
18:30〜20:30
◆会 場: 3月22日(木) 東京ウィメンズプラザ
3月23日(金)24日(土) きゅりあん

◆対 象: 保育や子どもに関わる方、教育関係者、子育て支援に関心のある方、子どもの保護者など
◆参加費: 全3回参加:10,000円 1回参加:4,000円
※お申込いただきましたら、振込先をお知らせいたします。

◆定 員: 約60名(申込先着順)
※全3回参加の方を優先させていただきます。
※資料等準備の都合上、必ず事前にお申込ください。

◆主催・申込: (特)日本子どもNPOセンター
東京都渋谷区渋谷1-10-7 グローリア宮益坂úL北館5F
TEL:03-3556-3456 FAX:03-3556-5266
E-mail:info@kodomo-center.jp

※セミナーの詳細は下記をご覧ください。
http://www.kodomo-center.jp/newinfo/2007/0322-24seminar/index.html