総務省、コミュニティ研究会を設置 5月には検討結果を公表予定

総務省はさる2月7日、コミュニティ研究会を発足させ、3月5日には第2回研究会を開催した。今後は28日、4月25日に研究会を持ち、5月を目途に検討結果を公表するという大急ぎのスケジュールになっている。
しかし、「コミュニティに関する様々な施策を統合する等の観点から検討を行う」というこの研究会が、わずか4回の会合で結論を出すのはあまりにも性急に過ぎないだろうか。検討課題は次のように幅広い。
1 町内会と各種機能団体の連携、地域活動のプラットホームの構築
2 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、CATV等コミュニティ・ツールの活用
3 地域の子育て・教育活動の支援
4 地域の歴史・文化、特産品等の開発・維持活動の支援
5 防犯・防災活動の支援
6 集落のあり方
7 その他
このような多くの課題を議論する場である研究会であるが、2回の研究会のすすめかたをみると、委員がおのおの得意分野のレポートを出すものの、結局のところは事務局主導の「検討結果」が出されてしまうことが危惧される。なぜなら、すでに第1回検討会において『地域コミュニティの現状と課題』が未定稿ながら事務局から提出されているからである。
かって旧自治省は、1971年に「コミュニティに関する対策要綱」を策定し、同時に「コミュニティ研究会」をつくりながら、全国に「モデル・コミュニティ」を設置するなどの施策をすすめた。この研究会が最終的なとりまとめを行ったのは1977年のことであった。つまり研究会の結論に6年間をかけたのだが、結局のところこの時代のコミュニティ施策はうまくいかなかったと言われている。
当時の施策は、町内会や自治会にかわって新たなコミュニティ組織(コミュニティセンターなど)のもとに展開を試みたのだが、ほとんどのところでは町内会・自治体と併存することとなった。今回「町内会と各種機能団体との連携」を検討課題としているが、町内会・自治会の今後のあり方を検討するには、あまりにスケジュールが短時間過ぎる。
いずれにしても、検討結果を注目したい。なお、東京からは渡辺幸子多摩市長が委員として参加している。

詳しくは下記の総務省のサイトで。
http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/community/index.html