24日の土曜日には、先日お伝えしたように、寺島集会所で向島学会の交流サロンが開催されました。
当日は、会場に行く道すがら、鳩の街商店街で、銭湯の写真で有名な町田忍さん率いる、まち歩きのご一行に偶然遭遇してビックリ。美術館の若手学芸員さんたちを連れての向島散歩ということでした。さっそく、ギャラリー・カフェ「こぐま」の成り立ちについて、即席のガイドを行ったりしました。
そんな道草をしてから、会場に到着。久しぶりの交流サロンということもあり、発表内容も盛りだくさん。参加者もいつもの向島学会のメンバー以外に、社会人から学生まで様々な顔ぶれが揃い、大変賑やかな会となりました。
ゲスト講演では、「長屋を利用した高齢者ケアについて」というタイトルで、はなみずきホームの永井都也子さん、「劇団唐ゼミ・業平公演テンマツ記」というタイトルで、唐ゼミ代表の中野敦之さんにお話しいただきました。
特に、京島三丁目で長屋を改装し、施設の高齢者をそこに招いてケアを行う、はなみずきホームの「逆デイケア」のお話は大変感銘深いものでした。長屋の木と畳と、障子の空間に来ると、普段は自発的な活動の少ない高齢者が、自然にちゃぶ台の上をふきんでふき始めたりするなど、生命力や生活力が「立ち上がってくる」のだそうです。また、知的障害を抱える子どもたちの集まりも、時々長屋で行うそうですが、その子たちは、通常の施設の集まりでは、それぞれが自分の中に閉じこもって一人遊びをすることが多いのに、長屋にやって来ると、なぜか子ども同士のコミュニケーションが豊かになり、複数での遊びが自然に始まるそうです。昔ながらの住環境の持つ癒しの力を再認識させられるエピソードでした。
ホームとして、こうした長屋の施設を地域の中に維持してゆくのは、並大抵のご苦労ではないと思いますが、永井さんも施設長さんも、特養ホームがまちに根付いて活動するために必要なこととして、これからも前向きに取り組んでゆきたいと、力強くお話しされていました。京島の長屋は、現在耐震改修中で、6月にはオープンハウスをおこなうそうです。その時にはぜひ見学に行こうと思います。(曽我)