石原都知事三選。しかし課題が山積

石原都知事が三選を果たした。とはいっても、浅野候補に110万票の大差をつけたとはいえ、得票率は51%にとどまった。選挙期間中はひたすら低姿勢をとり続けたが、当選確定後の記者会見では一転強気の姿勢に逆戻りの様子がみえみえだった。これで4年の任期を全うできるのだろうか。なにしろ課題が山積している。
1 まず、オリンピック招致問題。2009年に2016年オリンピックの候補地が決定することになるが、東京が候補地になる可能性はきわめて薄い。
2 オリンピック関連で、築地中央市場の豊洲移転問題。移転候補地は東京ガスの工場が30年にわたって石炭からガスを製造していたため、その工程で生じた有害物質の汚染について、石原知事も選挙期間中に再調査を約束した。その反故は許されないし、調査結果によっては豊洲移転の見直しも必要になる。
3 同じく3環状道路の整備、とりわけ外郭環状道路問題。性急な事業化は周辺住民の反発を招くことは必死だ。
4 新銀行東京問題。知事の強いリーダーシップで発足した新銀行だから、赤字累積の責任転嫁は許されない。
5 震災対策。都税収入の好調な今こそ、基金の積立ても含め、中長期的な方針を確立すべきである。
6 花粉症などの環境問題。国を批判するだけでは解決にならない。政策の具体化が急務である。

石原知事は最後の任期になることは間違いない。かって、美濃部知事(三選)も鈴木知事(四選)も、最後の任期ではぼろぼろになって退任を余儀なくされた。石原知事も故事に倣うことになるのか、否か。