日の出亭の外壁は土が剥き出しになっている場所と板で覆われている場所がある。前川和昭さんは元々漆喰をタブロー制作の素材としている作家である。自宅兼ギャラリー・BANYAは前川和昭さん自作の漆喰壁が醸し出す空気に光が柔らかく感じられる空間で、日の出亭とは車で5分と離れていない距離である。前川和昭さんは日の出亭の外壁である土壁に制作を構想し、壁画ではなく壁が作品となる構成を練る。土壁を残しつつ、漆喰をマスキングで型取り、その上に和紙を定着、和紙に朱の糸を絡ませ、神事ごとの儀式を彷彿とさせるような雰囲気を漂わせる壁面を出現させた。日の出亭に新たな命のリズムを刻む作品だ。
作品タイトルはpeople 制作風景と完成間近の写真。2006のプロジェクトより