明日を拓く匠—まちに息づくものづくりの力—

統一自治体選挙の後半戦が終わった。いつもながら、選挙は悲喜交々である。当選した人には、4年間の重い責任があることを忘れないで欲しい。
今年の選挙でも、「まちづくり」は公約や「マニフェスト」に掲げる候補者が多かったが、残念ながら「ものづくり」はあまり課題になっていない。産業振興の原点は「ものづくり」にあることを改めて考えていかなければならないと思う。
そのことを教えてくれるのが、標題の本だ。本著には、東京都北区のものづくりを支える37の企業と17人の「匠」が取り上げられている。それはこの本の標題である「明日を拓く匠」の群像であるが、それは第4章。第1章から第4章は次のように構成されている。
第1章 「小さな企業の熱い思い」が地域を支える(早稲田大学商学学術院教授
鵜飼真一)
第2章 近代産業発祥の地 北区産業史
第3章 ものづくりの原点 −渋沢栄一と北区のかかわり−(渋沢資料館館長 井
上 潤)
第4章 明日を拓く匠たち
<赤羽地区> 8企業
<王子地区> 15企業
<滝野川地区> 14企業
<伝統工芸> 17人
大田区、墨田区、荒川区などとともに、北区は古くからものづくり産業が発展してきたところとして知られている。本書からは、それは渋沢栄一から続く「系譜」であること、そして21世紀を迎えた今も技術をみがき続けていることを知ることができる。まさに「匠たちから次世代へのメッセージ」となっている。

編集:「明日を拓く匠」制作委員会 A5版・定価2000円(本体1905円+税) 申込みは㈱ぎょうせい へ