通い湯治その177「潟沼の龍」

旅館大沼で見かけた一枚の絵。おそらくは鳴子温泉のへそとの言うべき「潟沼(かたぬま)」に住むという龍を描いたものではないかと思われます。
今年の「GOTEN GOTEN アート湯治祭」ではこうしたまちのみなさんが所蔵している作品や、技、知識などとにかくすごいものをすべて「アート」として紹介し、東鳴子を「ごてんゆアートギャラリー」としてお見せできないかと考えています。
というのも、東鳴子ゆめ会議代表の大沼さんが以前語ってくれたことに、湯治場はひとつの大きな宿なのだ。通りは廊下、お店は宿の売店。湯治に来たお客さんは、自分の部屋に戻るようにしてそれぞれの旅館で休む、というお話があり、それが東鳴子の「垣根をはずしたまちづくり」なのだなと思いました。
この「御殿湯の郷」であり「重曹泉の郷」・東鳴子をひとつのギャラリーに見立てて回遊するようなしかけをつくることは、アートを通じ、まちの垣根をはずしていくことになるだろうかと思います。そして東鳴子にはじまったこの動きが、陸羽東線を通じて大崎市一帯、宮城県そして全国へと波及していき、やがて同じような取り組みと出会う、そんなイメージをいだいています。

(コメント:門脇篤