キララが考える「啓発」とは・・・(ちょっとあらたまって)

キララには、最近さまざまなご意見とご要望が届けられます。

 「情報規制をするよう働きかけてほしい」
 「性犯罪者に対して厳罰を求めて欲しい」
 「性暴力被害予防にもっと声を大にして欲しい」

キララにそのような要望を届けられても、お気持ちは理解できることもあるのですが、
残念ながらお役に立てないことがほとんどなのです。
なぜなら・・・キララは「社会改革」を行うことを主の目的としていないからです。

そういうことで、本日は、皆さんにキララの趣旨をご理解をしていただきたいと思い、
キララの「啓発」についての考え方を書きたいと思います。

私たちの大事な事業のひとつに、「啓発」があります。
キララの最大の役割は、
相談される方一人ひとりに対して「寄り添う」ことなのです。
キララにとっての「啓発」とは、相談される一人ひとりの人の代弁だと考えています。
そして、その代弁も、その人に無断で行われてはいけないのです。
つまり、「一人の人の幸せ」のために、社会に働きかけることがキララの「啓発」で、
「一般の人々のための社会改革」を行うこととは違うと考えています。

広く世間に、声なき声を聞いて欲しい、現状を知って欲しい、法律や制度が変わって欲しいと
私も切実に感じます。
目の前の人と同じような思いをして苦しむ人がこれ以上出て欲しくないと強く念じています。
実際に、社会のシステムが変わることで、少しでもそういった人が減るのではないかと
感じられる場面は、本当によくあります。

でも、キララが「社会改革」の旗を揚げて、その最前線に立つことはできません。
「社会改革」の役割を担われている団体とネットワークを持つことで、
間接的にその役割のほんの一端を担がせていただくのがキララのスタイルなのです。

たとえば、キララにご相談される方に寄り添っていると、時々次のようなことが起こります。
 ・法律や制度がその人を守ってくれなくて、網の目からこぼれてしまう・・・
 ・法律が、制度が、その人を困った状況に追いやる・・・
そんなときには、キララでは、まずはその人の傷つきや憤りの根本のところの
心のケアを第一に行います。
そうしながら、その人にとって「最善の今後の道」を共に考えます。
その中で、二次障害となっている社会的な問題があるなら、
キララのメンバーやメンバー外の方から協力を得て、
関連機関に対して働きかけをしたり、法的措置を行っていきます。
このように、一人の人として権利を守られ、
当たり前に受けることができるサービスを受けられ、
この先、その人なりの「幸せ」を見つけられるように、
心と身体と生活のケアとサポートをするのが、キララのお仕事なのです。

人はそれぞれ、生きていくなかで、社会に対する不満や憤りや憤懣やるかたない局面に
遭遇することが少なくないのかもしれませんね。
そういうときには、「社会に対して○○をしてください」ではなく、
「あなたの困ったこと」をご相談くだされば、私たちは共に寄り添いますよ(%笑う女%)(%ハート%)