今回は参加作家、西村浩一さん、矢野誠さん、桂秀也さん(通称、写真作品チーム)の作品プラン「西ノ島の肖像」を紹介します。
彼等はプロのカメラマンです。昨年までこの3名は純粋にスタッフとして活動し、企画全般と作品の写真をとっておられました。しかし今年は自ら作家の立場で写真メディアを使おうというのです。そのスタンスの変化は当然三人三様であり、作品は共同制作ではなく3つの個人作品を並列する予定で、ちょうど写真の3人展のような位置付けです。しかし現地で公開制作するスタンスは、島の現在とカメラマン個人との関係性を軸にそれぞれの個性でもって成立させようとしているようです。この微妙なさじ加減が今回のポイントだろうと私は解釈しています。スタッフから作家へ、彼等の中でその意識変化がどう整理されていくのか、写真作品はその事実を映し出してくれると思っています。 (岡田毅志)