「ギャラリートーク&アートパズルプロジェクトチーム」です。
「全体プロジェクト」「宮本亜門プロジェクト」、両チーム共に、着々と準備が進んでいるようですね。我々も負けないよう、やる気全開でがんばります!
6月27日、山下先生、三枝(ブログ担当)、西森(パズル制作担当)の3人はグラフックデザイナーである山口さんのデザイン事務所を訪問しました。
山口さんには前回ご紹介したモネ『睡蓮』の“原寸コピー”を制作いただいています。幸運なことに、今回印刷が完成した複製を引き取る際に、その仕事場を拝見できることになりました!
事務所は京都造形芸術大学からもほど近い「哲学の道」近辺。到着後、ついに、私たちの『睡蓮』と対面!一同、歓声にわきます。本物そっくりといっても、モネの『睡蓮』に実際描かれている絵の具の凹凸は、表面にはありません。しかし、思わずペタペタ触って確かめてしまいました…。そのくらい、素晴らしい出来映えです。絵の具のかすれ具合も忠実に再現されていて、「モネはここでこう描いたのかな?」と、様々な想像までできてしまいます!
そしてこれが、精密複製を生み出したプリンタ、「HP Designjet Z2100 Photo」です。名前からしても何だかすごそうですよね!?巨大なボディの反面、用紙を設定するのにも一手間かかる、とても繊細なプリンタなのだそうです。
出力されるミニ『睡蓮』(ミニといっても大きいのですが)に興味津々のパズル班西森さん。
「すごいなあ〜〜部屋に飾りたい…。」
と、ここでも思わずペタペタ…。
出力作業中、山口さんが私たちご自身のお話をして下さいました。
山口さんは、多くの古い絵画の精密複製を制作していらっしゃいます。中には、国宝も含まれています。作品は年月と共に、少しずつ劣化していき、公開するとさらに劣化が速まります。そのため、本物は厳密に保存し、精度の高い複製品を一般公開してはどうか、というのが山口さんの考えです。
まだ世間に認知されていない部分もあるそうですが、私は山口さんの制作する精密複製が素晴らしいと思います。それは、技術の問題だけではありません。
「現代の鑑賞する人が作品の魅力を存分に楽しめて、かつ後世によい状態の作品を残したい」そういったメッセージが、お仕事をされている山口さんの姿から伝わってくるからです。
「色々なものを見て、目を肥やすことが大事です。ただ、漫然とものを見ているだけでは、駄目なのです」
そう話して下さった山口さん。
啓蒙の言葉であると同時に、ワークショップを行う上でのヒントとなるように感じました。
モネパズルの制作にはカラーマッチから出力に至るまで、約16時間もの時間がかかったそうです。普段の「国宝級」のお仕事と変わりない作業を、山口さんはボランティアでしてくださいました。感謝してもしきれません。
もちろん、元となる写真を撮ってくださったフォトグラファーの福谷さんを含め、このワークショップは、様々な方の協力によって成り立っています。
そのご厚意をメンバー全員、しっかり心に留めておきたいです!
この場を借りて、お礼させて頂きます。本当にありがとうございます!
さて…。モネパズルを引き取り大学に戻って、メンバー全員にパズルをお披露目!
「お〜っ」というどよめきと共に、全員釘付けになりました!
すると、
「これ、10年使えるパズルにしようや!」
と福先生から突然のミッション。
『10年!?』
壮大な計画に呆然としてしまう「ギャラリートーク&アートパズルプロジェクトチーム」でした…。
次はこの素晴らしい複製をパズルに加工する作業、果たしてうまくいくのでしょうか!?