原発火災と放射能を含む水の流出、東京電力・政府は情報を公開せよ—たんぽぽ舎

中越沖地震による、柏崎・刈羽原発の重大事態に関して、たんぽぽ舎が次の緊急メッセージを出した。たんぽぽ舎は、「反原発」の立場から原発に関する調査・研究、情報発信、原発現地との交流などに取り組む市民団体である。私(伊藤)も会員であり、「アドバイザー」をつとめている。

緊急メッセージ・・・たんぽぽ舎

16日(月)午前10時13分頃、新潟県中越沖を震源とする地震があり、大きな被害を出した。その中で、東京電力の柏崎・刈羽原発(全部で7基)の原発火災と放射能を含む水の流出、原発敷地内の地割れなど、重大事態がおきている。かねてから私たちが心配し、指摘したことでもある。今わかる範囲内での情報をもとに私たちの見解を述べます。

(1)原発火災に対応できないのは大問題
 原発から黒煙が上り、火も見えた。この映像は全世界へ配信され、8年前の東海村臨界ヒバク事故のお粗末さと並んで、日本の原発の信用を世界的に失墜させたと思われる。原発火災がおきて、自力で消火できないのは大問題である。12年前の阪神淡路大震災のように町中が大火事になり、消防はそれらに手一杯で全く消防力が不足した。今回は市内に火事がなく、原発のみが火災になり、消防車が来て消したが、これがなかったら一体原発火災はどうなったか?

(2)放射能を含む水が流出した事実は大きい
 原発事故の時、いつも報道の始めの時期に「外部への放射能洩れはありません」が広報される。大変不愉快である。今回も1日目はそうであったが、2日目(=17日)の朝、放射能を含む水が流出した−海へも−と報道している。情報を小出しに出して、実質は「情報統制」していると疑う。7つある原発すべてで、プールの水(放射能を含む)がもれだした事実は大きい。

(3)電力会社が隠した活断層が動いた。隠れた活断層ではない。
 報道では「隠れた活断層」(見つからなかった活断層)が動いたとされているが、これは事実とちがう。電力会社は、原発建設時に活断層の長さを小さくみつもり(地震を小さくみつもり)、また、長い断層を小さくコマ切れに扱うなど「活断層隠し」や「活断層殺し」をおこなって、住民を騙して原発を強権的に建設してきた。1号炉の下には断層がある。原発・地震にとって地盤が極めて大事だ。

(4)なお、たんぽぽ舎では、地震がよくわかる会と共同で緊急の”新潟地震と原発−何がおきたか、発表されたこと、されていないこと−の集会”を準備中です。

より詳しい情報や集会などについて知りたい方は、たんぽぽ舎へ電話・FAXでお問い合わせ下さい。

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