長屋の青空

先日ご案内した通り、29日は、AAFの「すみだ川アーツのれん会」主催のまち歩きツアーを行いました。題して、「路地を歩いてこぐまに出あう旅」。当日は雨模様の天候でしたが、後半はすっかり雨も上がって、なんとか参加者全員、3時間ほどの行程を元気に踏破することができました。
当日のコースですが、東向島から現代美術製作所を経て、昔の玉ノ井の名残をとどめた古い建物を見たあと、ユートリヤで『思い出への話』のインスタレーションや、学生によるまちづくりプロジェクトの展示を見学。アーティストの住中さんの説明を聞いてから、東向島2丁目を抜け、その途中で2004年の夏に(ちょうど隅田川の花火大会の頃でした)水内さんが地元のこどもたちとワークショップで制作した巨大な壁画を見たりして、京島へ。
京島の長屋では、アーティストのNam HyoJunさんから作品の説明をしていただきました。向島で雨水利用が盛んなのを知り、それにちなんだインスタレーションを試みられたということでした。畳の上に広がるのは、たくさんの透明なプラスチックのコップに入った青空の写真の群れ。本当は雨が続く時期を予想して、長屋の中に青空を仕掛けてみたそうですが、予想に反してお天気続きになってしまったとか。中央のビデオには雨傘をさしたアーテスト自身によるパフォーマンス映像も展示されています。一杯の水のように、心と体を癒してくれるような、清涼感のある展示でした。
その後は、キラキラ商店街を抜けて、今年オープンしたおそば屋さん&ギャラリーの天真庵に立ち寄り(大勢でいきなり押し掛けてすみませんでした)、京島のマンモス公園(大きなすべり台があります)や、かつて京島で活動していたrice+というオルタナティブ・スペースのあった場所の前を通り、曳舟の再開発地域の横を抜けて鳩の街へ。終着点の「こぐま」では、向島のアートプロジェクトの10年を振り返る企画展を見ながら、冷たい飲み物で喉を潤し(もちろんぼくはビールで)、歩いて来たばかりの向島の印象を語り合いました。今回のまち歩きでは、地元にお住まいの方も何名か参加してくれたのが嬉しかったですね。
お暑い中、ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。それからスタッフ役の森さん、向坊さん、石川さん、本当にお疲れさまでした。(曽我)