養成講座7月7日のご報告(2)

13:00〜14:00「保存活用とまちづくり/加悦」
佐藤晃一講師

講義のなかに、長く空き家だった商家を町が譲り受け、片付けや掃除を住民が主体となった団体が受け持って、参加した地域住民が町の歴史と文化に関心を持つようになったというお話がありました。課題としては勉強会に参加するメンバーが固定されてきて、参加しない住民に関心を持ってもらい底上げをどのようにしていくのかが問われているということがあります。
そのほか、伝建(※1)選定までの取り組みの話のなかで、住民側から同意書は自分たちでとってくるという意見が出て、役所はそれを待っていることになった。行政と住民が一定の距離を保ちながら、連携してまちづくりを進めていく話など、とても興味深い内容でした。

このことは、NPOの活動にも共通することで、もともと活動に関心を持っている人(団体)とだけ連携するのではなく、関心のない人(団体)までをもまきこむような取り組みができれば、それぞれのNPOの活動が広がるのではないかと思いました。

※1 伝統的建造物群保存地区
全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存を図るため、市町村が伝統的建造物群保存地区を定め、国がその中から価値の高いものを重要伝統的建造物群保存地区として選定し、保存事業への財政的援助や必要な指導・助言を行っている.

14:00〜15:00「保存・活用とまちづくり」
永山惠一講師

永山講師はまちづくりに積極的にかかわっておられます。
活動のひとつに「ジュニア河川レンジャー」があります。小学4年生を対象に行われているプロジェクトで、まちの自然、歴史を伝える皮に関心を深めてもらうために清掃パトロール、歴史の勉強会に参加し、そして体験したことを家族に話してもらいます。そのことによって、子どもたちだけでなく親の世代にも関心を持ってもらえるようになるとのことです。
そのほかに、十石船の運航や地域ブランドの企画など観光、商業の活性化などの永山講師の活動は、多角的な方法で伏見をもりあげていこうという気概を感じました。

「保存・活用とまちづくり」の講義は加悦と伏見というふたつの地域でのとりくみをお話いただきましたが、それぞれ1時間ではたりないくらい、中身の濃いお話でした。
(吉岡)