櫻ヶ岡中学校の中平です。三日間、塩尻の総合教育センターで研修を受けていました。講座名は「教育課程概論」。小中高で実施されている「総合的な学習の時間」のカリキュラムを考える演習を通して、学校の教育課程そのものに関心を持つことをねらった講座です。
この演習を通して、ショッキングなことを発見してしまいました。小中高の先生方40名が10個のグループに分かれ、架空の総合的な学習の時間のカリキュラムを考えるプロセスの中で、右の写真のようなウェビングという連想ゲームのようなことをします。自分たちで設定した学習のテーマ「地域」「自然」「命」「食育」というようなキーワードを模造紙の中心に記入し、そこから連想される言葉を、まるで蜘蛛の巣のように広げていくのです。1グループで50個以上の言葉が記入されていきます。しかし、驚いたことに、その言葉の中に「美術」とか「アート」という言葉を記入したグループは、どこもなかったのです。これはショックです。つまり、40人の先生方は、子どもたちの学習を進めていくための有効なツールとして、美術やアートを認識していないのです。「公共施設」という言葉は出てきますが、「美術館」という言葉はでてきません。日本中でもっとも美術館の多い県として長野県は紹介されていますが、現場の学校の先生たちには、教育的価値ある建物として認識されてはいないのです。これは、本当にびっくりしました。ここに、美術関係者がかかえていかなければならない問題があると思いました。