「外国人の子1%不就学、『所在不明』17%…文科省調査」(読売新聞8月1日)

日本の自治体に外国人登録をしている学齢期の子供のうち、約1%が小中学校への就学手続きを取らないまま生活していることが31日、文部科学省の調査で明らかになった。
 所在不明で就学の有無を確認できなかった子供も17・5%に上り、不就学の子供の割合は、実際には1%を上回るとみられる。同省は、こうした実態が非行や違法就業の温床になっている可能性もあるとして、対策を検討するための有識者会議を近く発足させる。
 文科省は2005年度から06年度にかけ、外国人が多く住む群馬県太田市、愛知県岡崎市など11市と滋賀県の計12自治体に依頼して、不就学の子供の割合などを初めて調べた。
 それによると、義務教育の対象となる6〜15歳の外国人登録者計9889人のうち、小中学校に入学したり転入したりする手続きを取っていない不就学の子供は112人(1・1%)。また、1732人(17・5%)は、登録された住所地に住んでおらず、連絡が取れなかった。自治体に届け出ないまま帰国したり、日本国内の別の場所に転居したりしたケースとみられ、同省は、転居先で不就学になっている子供もいるとみている。
 不就学の理由を複数回答可として保護者に尋ねたところ、「お金がない」(15・6%)が最も多く、「日本語が分からない」(12・6%)、「すぐ母国に帰る」(10・4%)などが続いた。「仕事をするため」「きょうだいの世話をするため」といった理由を挙げた保護者もいた。
 文部科学省は31日、全国の公立学校に通う外国人のうち、日本語の指導が必要な児童・生徒は、昨年9月1日現在で5475校に計2万2413人いたと発表した。前年に比べ、学校数で194校、人数では1721人増えており、ともに過去最多となった。母国語別では、ポルトガル語8633人、中国語4471人、スペイン語3279人の順に多かった。
(2007年8月1日 読売新聞)