■今ブームの「ワーク・ライフ・バランス」(WLB)とは?
最近、巷では「WLB」という言葉をよく耳にします。講演会やシンポジウムも数多く開かれ、特に「少子化」や「女性の社会進出」、「長時間労働による健康被害」と行ったキーワードと共に語られているようです。まれに、WLBこそが、日本が抱える多くの社会問題の特効薬のように語られることもあります。先月公表された男女共同参画白書では一章分をWLBに割いている熱の入れようです。
そもそも、WLBとはどういうことなのでしょうか?多くの場合「仕事と生活の両立と調和」という意味で使われています。仕事優先、働きすぎの生き方から、家庭や家族、自分を優先した生き方へ転換することが必要だということでしょう。
では「仕事」と「生活」は、もともとは調和していない対立する概念なのでしょうか?
よく「ワーク/ライフ・バランス」とスラッシュで区切られるように、仕事と生活は本当に相反する存在なのでしょうか?現在世間で語られている多くの「WLB」は、どこかの職場に通勤して出かけ、終日(もしくは一定時間)の決められたスケジュールで勤務し、帰宅するという、職住分離型の働き方を中心に語られています。しかしながら、私たちが目指す多様な働き方には、地域で働くCBやワーカーズ・コレクティブのように「一定時間仕事をすることで対価を得る働き方」でないものも多く含まれます。そのような多様な働き方をしていく人たちにとって、「WLB」とは一体どのようなものなのでしょうか。
つづく
(会報「万里夢」2007.07.01特集より)