日の出亭展示1金村仁「肖像画ー窓のある部屋」1

淡路島アートフェスティバル2007の会場は日の出亭の他、ギャルリーBANYA,洲本公設市場、洲本市民工房、沼島、とあります。展示やイベント、ワークショップなどが行われました。まずは日の出亭の展示から紹介したいと思います。 京都から参加の金村仁さんは日の出亭の壁を作品化したいと昨年、日の出亭を訪れた時に閃いたそうです。日の出亭は築80年のその当時の材料もリサイクルです。梁や柱に別の場所で使われていたであろうほぞ穴や刻みの痕跡があります。長い間各部屋に色んな人が住み着き、去っていった痕跡もあります。金村さんは土壁の中に記憶を探ろうとプランしていましたが、壁の強度、等の問題で急遽、床を使うことになりました。2階の小部屋の入り口をにじり口の様に低くし、はいつくばって床を意識させる様に工夫が凝らされました。床は既存の床の上にもう一枚床を作り、真っ白いフラットな面を仕上げ、部屋の間中の柱の床下の位置から反対の柱に向けて、黒いタイルが埋め込められています。タイルにはこの日の出亭の所有者であるやまぐちくにこさんの肖像が印刷されています。ほの暗い小部屋の白い床に一筋のタイルが配置され、そこにわずかに浮かび上がる肖像画。この空間に入り、全体の静寂な空間質とタイルに印刷された肖像画の静けさは妙にこの空間の居心地さを創り出しているように感じます。「肖像画ー窓のある部屋」と題された空間は、作家がこの空間と闘いながら、一週間ほど、滞在して出来上がりました。期間終了後もこの場所に展示される予定です。淡路島アートフェスティバル2007の会期は9月9日まで、土日開催です。