■病気や障害のある子供の「食育アイデア」

ユニ育ライター こがにです。

重症心身障害児の長女は、誤嚥性肺炎の可能性があるため
残念ながら、今はほとんど口から食べることができません。
親としては、そこが本当に悔しい・・・・
でも根っからの食いしん坊で、一応「管理栄養士」の端くれでもある私としては
なんとかして食べ物に、興味を持たせたい。

そんな我が家の「食育アイデア」ベスト3を
今回は、ご紹介します。

1.一緒に買い物

病気や障害のある子供たちにとって、料理というのは
「黙ってテーブルに出されるもの」となりがち。
料理ができるまでの食材や、調理の過程そのものを
すべて理解することは、難しいかもしれません。

少しでも食べることに興味を持ってもらいたい。
そんな我が家は、長女の体調が良いときには
一緒に買い物に行くようにしています。

スーパーの野菜コーナーなどは、目をキョロキョロさせる長女。
視覚障害もあるのですが、野菜や肉、魚のにおいなどは
きっと理解している・・・ハズです。
少しでも、目をキョロキョロさせたものは
できるだけ、手で触らせるようにもしています。
子供の反応を見ながら、一緒に買い物を楽しむこと。
また子供の状態によっては、一緒にレジの精算などを体験することも
社会経験のひとつになります。

2.一緒にお料理

買い物をしたら、一緒に食材を調理。
すべてを体験しなくても、例えば皮むきやボウルで混ぜることなど
ほんの少しでOK。
自分で作った料理だからこそ、きっと「おいしい」と感じると思います。

我が家の長女も、先日「Chef’n パームピーラー」という皮むき器で
にんじんの皮むきを経験しました。
(手のひらを食材に沿わせるだけで、ラクラク皮むきできる便利グッズです)
皮をむいたにんじんは、カレーの具に変身しました。
主人やお兄ちゃんが「おいしいよ」と声をかけてくれたことも
きっと、長女にとってはよい経験になったと思います。

3.一緒にクンクン

五感をフル回転させることで、体の機能もUP!
クンクン・・・そう、匂いを感じることも食欲増進につながります。

まだ長女が幼いころ、ある盲学校を見学したことがあるのですが
そこで校内を案内してくださった校長先生が、私にひとこと。
「お母さん、目が悪いからこそ匂いが大事なんですよ」といった言葉を
今でも思い出します。
盲学校のプランターには、ラベンダーやローズマリーが植えられていました。
そのすぐ横には、パセリやバジルも。
ためしに目を閉じて、指でさわってみると・・・植物の香りが、よくわかりました。

そんな経験を活かして、私もちょっと自宅で応用。
最近の野菜には、匂いが少ないのですが
たまに、ピーマンやシソの葉を長女の手に持たせて、
鼻のそばに持っていくことがあります。
ちょっと眉間にシワをよせるあたりが・・・なんともわかりやすい(汗)
いろんな匂いを経験させることも、食育のひとつと最近は感じています。
もちろん、自宅のプランターで育てることも立派な経験ですよね。
(私は、植物の栽培が苦手なんです・・)

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食べる機能をなかなか活かせない今だからこそ
食べることへの意欲を忘れないでほしい・・・
そう思うのは、何とも矛盾した親心なのかもしれません。

でも、「食」という文字が「人を良くする」と書くように
どんなに重度な病気や障害があって、うまく食べられなくても
食べることへの意欲を引き出しながら、人間として生きる機能をより良くしたい。
食べられない子を持つ一人の親として、純粋にそう感じるこのごろです。

食欲の秋。
病気や障害のある子供たちの、おいしい笑顔が
日本中でたくさんみられますように。

★お読みいただきありがとうございました