「アート・ツアー」、次にやってきたのは旅館大沼の離れ「大沼山荘」の素敵な庭。ここに巨大な穴を掘ったのが他でもない、鳴子のとなり町・岩出山在住の湯治アーティスト・大場順一さんです。
大場さんは今ではすっかり現代アートの用語として定着した「インスタレーション」という言葉も一般的ではなかった頃から、山の中などにいわゆるインスタレーション作品を無自覚的に作っていた方で、これまで日本国内はもちろん、スペインや韓国でも精力的に制作を行ってきました。
今現在は鳴子のヘソ・潟沼で温泉管理をしているそうで、よくボーリング(温泉などを掘るために地中に深く穴を掘ること)などもやったそうです。そこで、地底がどうなっているのか、目に見えないこの足の下に広がる世界に思いをはせ、この作品を制作したといいます。
「穴」はあたかも彫刻のような筋がほどこされ、そこにコンクリートの粉がまぶされています。まさに地球を彫刻するような作品です。
来場者は穴の周りを歩いたり、中に入って深さを確かめたりして、作品を体感していました。
(コメント:門脇篤)