湯治アーティスト・大場順一、感覚ミュージアムに「藁の部屋」

11月7日からの会期を予定している「りくとうアートライン・セカンドステージ」ですが、開催場所のひとつ、岩出山にある感覚ミュージアムへ、今日から湯治アーティスト・大場順一さんが搬入を開始しました。

東鳴子で行われた「アートin湯治(AIT)」では、ショベルカーを持ち込んで、山に穴を掘るという作品をつくり、来場者の度肝をぬいた大場順一さんですが、今回は感覚ミュージアムの会議室に藁を詰め込むとのこと。
いったいなぜ藁なんだろうと思っていたのですが、大場さんのおうちは、岩出山在住の方の多くがそうであったように、農家だったんだそうです。そして農家というのは、藁にはじまり、藁に終わる、まさに藁とともにある生活を送っていたといいます。そうした中で、大場さんは鳴子へも湯治に来たことがあったということで、「湯治」と「藁」は大場さんのいわばアイデンティティーを示すものと言えるかもしれません。
だから今回、「湯治アーティスト」として東鳴子へお呼びし、そしてまた感覚ミュージアムで「藁の部屋」を制作してもらうことは、大場さんにとって、自分の故郷であり、現在もそうありつづける岩出山・鳴子を表現することになっていたわけです。
まさに「アート湯治祭」をフィールドとする作家と言えるでしょう。

(コメント:門脇篤