安曇野アートライン・シンポジウム「アートは子どもを救えるか」

11月17日、安曇野・池田町創造館にて、安曇野アートライン・シンポジウムが開かれました。
 安曇野は、「ここ数年間なかったくらいのすごい快晴」でした。雲ひとつなく、穏やかな天候でした。驚いたことに、斜面の芝のところにはたんぽぽが咲いており、モンシロチョウも舞っていました。春と秋が一度に来てしまった感じです。

私・中平も、パネラーの一人として参加するというチャンスをいただくことができました。私の他には、50年以上も美術教育に情熱を注がれている高森俊さん。私が教師になりたてのころ読んだ北川民次の書籍を復活させるなど、貴重な活動をされています。武田美穂さんは、絵本作家。絵本の大賞を受賞されたそうです。批評家と読者両方から支持されている素晴らしい絵本作家さんです。それから、ちひろ美術館館長の松本猛さん。とがびでは、東山魁夷のリトグラフや15歳の自画像を貸してくださるなど、全面的バックアップをしてくださっている方です。コーディネーターは、テレビなどでご活躍させれている浜尾朱美さん。ニュース番組などでもおなじみの方です。
 このような出演者の中、私は緊張しながらとがびの活動を紹介して、中学生にとってアートが必要であることを話しました。

高森さんは、創美活動を中心に独自の美術教育を展開されており、「何も制約を子どもにつけず、ほめていけば絵がどんどんよくなる」ということを、実際の児童会がを見せられながら語られました。武田さんは、ご自分の絵本の読者としての子ども達から届く手紙を読んでいくうちに、子ども自身に興味を持たれ、全国でてんかいされているワークショップの様子を報告してくださいました。その映像には、子どもたちの表現に関する欲求や心理なども映し出されていました。松本さんからは、子どもがもっと自己選択する授業が学校に必要ではないか、という内容が語られました。
 私自身は、学校に対する社会の期待の大きさを再認識しました。様々な立場の人が学校教育に期待している。もっと豊かな子ども達を育てていきたい、そこにアートや美術関係者がかかわりをもっていくことが、新しい可能性を開いていくことにつながるんじゃないかなあと思いました。勉強させていただきました。感謝です。