埼玉県越谷・まちアートプロジェクト

櫻ヶ岡中学校の中平です。快晴の埼玉県・北越谷に、文教大学の学生さんが進めている「まちアートプロジェクト2008」を見に行ってきました。町中の商店に美術作品を展示するという活動は、長野市にも存在しているので、なんとなく「こんな感じだろう」とイメージしていました。しかし、私の想像を実際ははるかに越えていました。写真の本屋さんには、本屋さんのご主人と年配の女性を主人公にした漫画作品が展示されていました。「その漫画を見た中学生が、おばあちゃんに似ているって言うんだよ。ははは。」と笑っていました。いつもはあまりしゃべらない方が、作品を通して生き生きと語っていました。アートがコミュニケーションの装置として機能していました。驚きです。

次に行ったのは、浦和レッズの応援をしている花屋さん。入り口にはレッズの赤い旗がたなびいています。ガラスに、紙を薄くはがすことによる濃淡で形作られた作品が展示されていました。花屋のご主人は、「この作品は、夜見るとすごくきれいなんだ。この作品を作るまでに、3回くらいだめだしして、作ったんだよ」と、まるで自分の作品のように、語っています。作者と地域の方が作品を共同で制作している感じが感動しました。花屋さんは、この作品をご自分の作品と認識されていると思いました。聞けば、大学までプロジェクトに関して話しに来てくださっているそうです。作家一人一人が、自分の作品をただ置いて展示しているのではなく、そこに暮らす人々とまずはコミュニケーションをし、その地域の方々が喜ぶ作品を作っている。そこに、この「まちアートプロジェクト」が成功している要因があると思いました。その後に行った料理店では、料理店のご主人が主人公として登場する漫画が展示されていました。ご主人は、「漫画がうまいねと言うお客はたくさんいるけど、登場人物がかっこいいねという客さんいない!」と言っていました。ご主人は、料理をしながら、ずっと自分の登場する作品の評価が気になっていたのです。作品と住民の方々の距離を縮めることに成功している素晴らしい例だと思いました。
下に、事務局をされている鈴木さんからの、まとめ展のお知らせを載せます。まとめ展、シンポジウムを計画してるところが、すごい大学生だなあとびっくりしました。是非、お出かけください。

本日(11/23)まちアートプロジェクトの越谷各店舗での作品展示が終了いたします。
越谷の広範囲にわたる展示だったので、全ての作品を見る事が出来ない人も多かったのではないでしょうか?
そこで、まちの商店に展示されていた作品を一同に集めた展覧会を行います。
是非、ごらんください。

まちアート展覧会2007
会期:207.11.28(水)〜12.03(月) 11:00〜18:00
会場:大袋ギャラリーひろば(東武伊勢崎線大袋駅より徒歩二分)
関連イベント:まちアートプロジェクトシンポジウム
会期:2007.12.1(土) 20:30〜21:30
会場:大袋ぎゃらりーひろば(東武伊勢崎線大袋駅より徒歩二分)
このシンポジウムでは、今回の作品展を多角的な視点で議論するとともに、今後の展開などを実行委員会、学生、商店会の方、地域住民の方で話をしたいと思います。
どなた様も参加できますのでお気軽にお越しください。

主催:まちアートプロジェクト実行委員会
まちアートプロジェクト代表 文教大学教育学部美術専修4年 鈴木眞里子