こんにちは。
(%王冠%)イラストライターの大枝桂子(%王冠%)です。
今日こそは児童発達のクラスの宿題(シャドウイングプロジェクト)のために
大学の保育園を参観したときの様子を
レポートいしたいと思います。
2007/11/09のBlogの続きです。(^_^;)。
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私が参観に入ったのは
De Anza Collegeの児童発達コースのビルに付設される
保育室の4歳児クラス。
ここには2歳児からのクラスがありますが、
4歳児クラスを選んだのは、
このクラスの保育士、Linda Conroyリンダ・コンロイが
障碍児教育の有資格者だったから。
4歳児さんは全部でざっと25人くらい。
そこに2人の先生と、
2人〜3人のアシスタントティーチャーが付きます。
しかし、この観察で私が何に一番驚いたかというと、
リンダ先生の学生(私)に対する対応です。
(日本の園だとあくまで園児第一で、
「学生は保育の邪魔をしないでね」というのが一般的だと思うんですが、
日本でも、大学付設の園では違うんでしょうか…)。
まず、観察の初日、私がリンダに
「障碍のある子と、その子に先生がどのように接するかを
拝見させてほしい」と宿題の趣旨を伝えると、
リンダはいともあっさり、「じゃあ、カール(仮名)がいいわね。
彼には発達遅滞があるの」。
そう言うなり、
それまで他の子どもたちを同等に気にかけていた保育士リンダは
カールをターゲットにして
突然、学生(私)に教える先生に変身!
((%星%)印はリンダが私にこっそり話した台詞デス)。
「カール! トミーと三輪車で遊んでたの?
今度はプレイジムでみんなと一緒に遊ばない?
こっちに来てごらん。
みんなも、カールに一緒に遊ぼうって誘ってちょうだい!」
(%星%)「カールはそのままにしておくと、
友達とかかわろうとしないのよ」。
「カール、三輪車がひっかかって動かせないのね。
トミーにHelp me, please.ってお願いしてごらん。
Say, ‘Help me, please!’.
そうよ。
それで、手伝ってくれたトミーには、なんていうの?
そう、Thank youね! えらいわ!」
(%星%)「カールは言葉の遅れがあるから、
できるだけチャンスを見つけて、
友達と話すよう働きかけるの」
「カール、メガフォン(←赤い円錐の‘コーン’を
なぜかこう呼んでいた)を見つけたのね。
それはメガフォンよ。メガフォン。
言ってごらん! メガフォン!」
(メガフォンという単語は他の4歳児にとっても
めずらしい言葉だったのか、
カールだけでなく、他の何人かの子どもたちも、
メガフォン、メガフォン、とリフレインしていた。
こういったリンダのカールに対する丁寧な関わりは、
カールだけでなく、他の子どもたちにも影響を
与えているようでした)。
翌日保育園に再び訪れると、リンダは、
「今日はオーチズム(自閉症)のジョン(仮名)が来ているから、
彼の様子を見るといいわ。
あなた(私)にとって、とてもいい機会だと思う。
ジョンの行動をしばらく観察してみて」。
しかし、私がジョンを見る限り、
彼にはあまりオーチズム的なところが
見受けられない。
他の子どもたちと遊ぼうとしないものの、
アシスタントティーチャーに楽しそうにちょっかい出して、
「ボクを追いかけてよ! Chase me!」と言っては
鬼ごっこを楽しんでいる。
障碍のない4歳児でもありがちなシーンでは?と思ったので、
そのことをリンダに告げると、リンダは、
「彼は高機能のオーチズムだからね。
じゃあ、部屋に戻ったら、
テーブルワークを見る機会を作ってあげましょう」。
外遊びの時間が終わって部屋に戻ると、
さっそくリンダは子どもたちに、
「今から、カールとジョンとでブロックを使って
遊ぶんだけど、
他に一緒に遊びたい人はいないかしら?
じゃあ、マークとアレン。一緒に遊びましょうね」
(…どうやら私のために、
障碍のあるカールとジョン、
障碍のない子どもたちを比較させてくれるつもりらしい…)
「さあ、この絵本にいる動物は何?
そうシマウマね。
シマウマの模様のパターンはどうなってる?
そうね。白、黒、白、黒って
順番に白と黒が並んでる。
じゃあ、シマウマと同じパターンをブロックで
作ってごらん」。
カールとジョンは先生にヒントをもらいながらも、
最終的には4人の子どもたちはシマウマパターンを完成。
「Good job!
じゃあ、次は何かしら。
そう、イモムシね。
このパターンはどうなってる?
白、黄色、オレンジのパターンね。
じゃあ、ブロックで作ってごらん」。
2色は理解できるのに、
3色になると混乱する。
4歳児ってそういう年齢なんですね。
5歳に一番近いマークは、コツをつかんで
イモムシパターンを完成させましたが、
アレンも初めは、かなりもたついてました。
でも、ジョンとカールはリンダがいくら説明しても
白、黄色、オレンジのパターンはできずじまい。
自由に、色とりどりにブロックをつなげているうちに飽きて、
電車遊びなどに移行していきました。
(%星%)「わかったかしら。これが発達に遅れのある子とない子の違いなの。
それに、たとえばジョンは電車遊びが大好きだから、
自由にしておくとずっと電車遊びを続けてしまうのね。
だから、こうやって、友達とブロックをしたりする機会を
意識的に作っていくことが大事なのよ」。
インクルーシブ クラスルーム(統合保育室)ですから、
学生にとっては、比較して違いを見て学ぶには
大変いい環境と言えるかもしれません。
おそらく親も、「学生が子どもを観察する」ことを知らされた上で
預けているのだと思います。
しかし、資料作成のためといって、
(障碍のあるなしにかかわらず)写真をいっぱい取ってるわ、
こまめにメモを取っているわ、
日本ではあまり見かけない風景があったのも事実。
(正直に言うと、保育園というよりは、
研究所みたいな印象でしたね(^_^;)。
確かに学生に一生懸命教えてくれるのも、
資料作成に熱心なのも長い目で見れば子どものため
ではあるんですけれどね・・・)。
日本の保育者養成校で障碍児保育のための教育が
どのように教育が行われているのかわからず、
比べようのないのがちょっと残念。
日本に帰ったらぜひ、養成校におじゃましたいと
思ってます。
そのときまた機会があったらまたレポートしますね〜。