丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

四国屈指の公立現代美術館である同館で「マルレーネ・デュマス ブロークンホワイト」を先日見てきました。
昨年春から夏に、東京都現代美術館で開催された巡回展です。

この美術館は、建築家の谷口吉生さんの設計により、丸亀市出身の洋画家猪熊弦一郎の画業顕彰と地域の美術振興を目的に1991年開館し、現代美術の企画展などを行っています。図書室やホール、カフェなども備えた延床面積8000平方メートルの大型施設で、JR丸亀駅前広場に面して立地しています。

小中学生の娘を連れて、家族4人で見にいくことになったので、キュレーターズ・トークのある日時にあわせて行きました。
子供たちには、とても分かりやすい説明で、好評でした。

さて、展覧会がどのようなものであり、そこで何を目撃するかは、是非、足を運んで鑑賞していただければと思いますが、図録の中で、作家のとても素敵な文章がありましたので、紹介します。

媒介者としてのアーティスト

現代人はアーティストの人格を強調しすぎる
原始社会では物語は決して一個人ではなく
媒介者、シャーマンによって語られ、賞賛されるとすれば
それは「語り」であり、個人の「非凡な才」ではなかった。
魔法が信じられていた時代、神話やお伽噺の時代には、神々は
あらゆる姿をとって現れ、正反対の性格を一身に表すことができた。
ひとは狼男になることができ、運さえ良ければ、
カエルも王子に変身することができた。ただ、愛のみが
邪悪な呪いを解くことができる。ただ、愛するひとの肌と触れ合うことのみが
野獣を美女に、物質を視覚に変えられる。
絵画も、カエルにキスが必要なように
秘密を明かすには、愛する人を必要とする。

鑑賞の後は、カフェでおいしいスコーンを食べました。

本展覧会の会期は今月20日までです。
お近くの方は、是非足を運んで見てください。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://www.mimoca.org/

(norio)