1月22日付けで、総務省自治財政局財務課長による「財政課長内かん」がだされた。この「内かん」は都道府県および指定都市の財政担当にあてたもので、都道府県を通じて市区町村にも「連絡」するよう要請している。
ちなみに「内かん」は、今年1月発行の広辞苑第6版にも採録されていない、行政用語の極めつけのような言葉だ。かって、広島地裁で「内かん」の法的強制力をめぐって争われたことがあり、当時の（平成11年）の地裁は次のように判決した。『「内かん」は要請であり、法的拘束力を有しないことはそれ自体から明らかであり、「内かん」に従うか否かは各地方公共団体の判断に任されているものというべき』であると。
つまり「内かん」は連絡事項を記したものと理解できるが、それが「事務連絡」ではなく「内かん」という理解不可能な用語を使っているところに、総務省（旧自治省）の大時代性を感じる。
それはともかく、この「内かん」は次のような構成をとり、「平成20年度地方財政計画」の策定作業がまだ確定していない現段階における、「地方財政の見通し」と「予算編成上留意すべき点」を総務省財政課長から自治体に伝えるものである。
内かん（手紙形式の文書）
（別紙）
第1 国の予算等
第2 地方財政対策
第3 予算平成の基本的考え方
第4 歳入
第5 歳出
第6 地方公営企業
第7 地歩公営企業等金融機構について
＜資料＞
１ 平成20年度予算編成の基本方針
２ 平成20年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度
３ 平成20年度一般会計歳入歳出概算
４ 平成20年度地方財政収支見通しの概要
５ 平成20年度地方交付税総額算定基礎
６ 平成20年度各種交付金計上額
７ 平成20年度地方債計画
８ 平成20年度の共済組合負担の組合別料率
平成２０年度地方団体の予算編成に係る財政課長内かん
http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/pdf/080122_2_1.pdf
総務省「地方財政の状況」のページ
http://www.soumu.go.jp/iken/zaisei.html