いま一歩の希望

いま一歩の希望

 不登校・ひきこもり・中退者の学びの場、単位制通信高校「神戸自由学院」を設立して2年が経過しました。しかし、たとえば、多文化とことさらに言わなくても多文化があたりまえに生活でき、男女共同参画と言わなくても、それがあたりまえのくらしができるようになる日を待ち望むように、不登校も「不」がつかなくていい日が早く来ればいいなと思います。自由に学校が選べて、自由に学校が休めたら、不登校なんてコトバは必要なくなるのです。
 自分とちがう人を排除してしまう狭い心を捨てることができ、自分が生きていくのに他者が必要と感じ、自分と同じくらいあなたが必要なんだとだれもが理解できたら、社会は変わるでしょうね。いま東日本の災害のあと、多くの人たちがつながりのたいせつさを感じておられると聞きます。
 阪神大震災の時も、全壊したビルの瓦礫の下に取り残された少年の命を、たくさんの大人が力をあわせて救出できたときのあの感動は忘れることができません。これからも喉元過ぎればにならないで、ひとりのいのちをみんなで守る社会を育てていきたいと思います。みんなが、あともう一歩譲って、となりにすきまができたら、子どもたちの今ある息苦しさがなくなるように思うのです。