(%王冠%)イラストライターの大枝桂子です(%王冠%)
昨日、カレッジの中間テストが終わりました。
日本語でも説明が難しい「固有覚」とか「前庭覚」の定義、
さまざまな障碍の特徴・原因を「英語」で覚えなくてはならず、
あぁもう正直、大変でした。
覚えたことの中から、
「統合保育における汎用的指導戦略」の中で興味深い方法を書き連ねておきますね。
(%赤点%)1>「お気に入りの発見」High Reference Inventoryの利用(%赤点%)
障碍の有無にかかわらず、子どもは興味のあることにしか注意を向けません。
ですから、その子が何に興味を持っているか知らなくてはなりませんが、
障碍のある子は表情が乏しかったり、障碍のない子とは違った興味の示し方をすることがあります。
興味対象がつかみづらい場合、
High Reference Inventory(興味一覧)を使って絞り込んでいくという方法があります。
その際、たとえば、オーチズムの子は「目の縁で対象物を見ようとする」とか、
脳性小児麻痺のある子の中には「喜んでいるとき体を緊張させることがある」など、その子の特徴を見つけた上で、分析する必要があります。
High Reference Inventory
●活動 ●与えたときの反応 ●取り去ったときの反応
───────────────────────────────────
バーニーの音楽 体を緊張させる 泣く
三輪車 微笑んで揺する 無反応
オマルに座らせる 泣く 泣きやむ
人形 顔をそむける 泣く
(さまざまな環境で見られた反応を集めて一覧表にし、
それをもとにその子の好きな遊びを割り出します)。
(%赤点%)2>「適切な足場を与える」Scaffolding(%赤点%)
スキャホールディングScaffoldingというのは、
建築現場などで一時的に組まれる「足場」のことです。
なかなか特殊な言葉らしく、
宿題の下書きをチェックしてくれた個人指導の講師2人ともに
「へー、Scaffolding。どんな意味だか知ってる?」と聞かれたくらい。
教育の畑ではこれを「子どもの発達を一時的に介助すること」
という意味で使うようです。
つまり、
子どもがまだ一人で出来ないことに対して、
必要な量の「足場」=サポートを施し、
(足場は大きすぎても、小さすぎてもダメ)
それが少しできるようになったら、
少しずつサポートの量を減らす。
こうやって、子どもの発達を助けるというわけですね。
このスキャホールディングScaffoldingは、
ヴィゴツキーというロシアの心理学者の
「最近接領域理論」とセットで考えるとわかりやすい。
以前、ミクシーの日記にまとめたことがあるので、
部分的に変更して引用しておきます。
(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)
「さっちゃんはミカンで育つ」
ここにミカンがあります。
ふつうの、1袋に10個くらい入ってて、398円っていう種類のミカン。
このミカンの皮を、さっちゃんは自分で上手にむくことができます。
このように自分でできる発達の到達レベルを「完成した水準」と言います。
レタスをはぐとか、もっと簡単なことを含めて、
さっちゃんのできることの領域が、図の黄色の部分。
ところが、夏みかんはダメ。
皮が固いので、さっちゃんは自分でむけません。
この段階はまだ未完成の領域です。(グレー部分)
でも、私がナイフで切り込みを入れてあげると、
さっちゃんでも夏みかんをむくことができる。
それが「可能的水準」。
そして、「完成した水準」以上で「可能的水準」以下の、
「何らかの援助があるとやり遂げることができる」範囲を、
【最近接領域】と呼ぶとヴィゴツキーという心理学者が決めました。
(図のピンクの部分)。
フツウのミカンならもう朝飯前のさっちゃん。
そのさっちゃんが、切れ込みが入ったとは言え、
果敢に大きい夏みかんをむく。
そのことによってさっちゃんは器用にもなるし、筋力もつく。
むき終わったら達成感も味わえる。
こうやって、【発達の最近接領域】の中で、
さっちゃんは発達していくわけです。
(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)(%エンピツ%)
この場合、何らかの援助=みかんに切り込みを入れることが
スキャホールディングScaffoldingであり、
切り込みを徐々に減らしていくことでさっちゃんの自立を
促していくことが教育目標になりますね。
カレッジで、
お父さんが赤ちゃんのオムツを替えるビデオを見ました。
1歳半くらいのかわいい男の子が、オムツ替えをしながら、
お父さんと会話をしています。
「ソック」
「ソックス」
「ソック」
「うん。ソックスだね。
自分で脱ぐ?」
「イエス」
男の子はひっぱりましたが、脱げません。
お父さんはかかとの部分だけ、引っ張って脱がしてあげます。
「ソックス、脱げるかな?」
男の子、引っ張って脱いで床に放る。
「ソック! フロア!」
これを見ていた生徒「Scaffolding!」
そう、このお父さんのかかわりもスキャホールディングScaffoldingですね。
(赤ちゃん、かわいかった(%ハート%))
……しかし、
説明すべき戦略があと3つほどあります。
長くなるので、近日中に残りをアップすることにします。(^_^;)