地球市民として どのような立場を取るのか【アース・ビジョン第16回地球環境映像祭によせて その3】

さて、審査委員からのメッセージ第3弾は、
農漁村フィールドワーカーのアン・マクドナルドさんです。

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ある人は主張するだろう。
近年、世界における環境への意識も、環境の現状を改善しようという人々の意志もずいぶん高まっていて、私たちは、自然環境との持続可能な共存への道を順調に歩んでいるのだと。

また、ある人は主張するだろう。
ますます悪化している地球環境の現状が示す課題への効果的な取り組みはまだ始まっておらず、すぐに大胆な対策をとらなければ、生命を支える環境そのものの破壊への道は差し迫っており、それは取り返しがつかないのだと。

アース・ビジョンは、この問いについて考える機会を与えてくれるので、非常に貴重である。
より重要なのは、ここで上映される作品の一つひとつが、それぞれ独自のやり方でわれわれ一人ひとりが地球市民としてどのような立場をとるのかを問うことである。

この映像祭は、世界のいろいろなところから作品を集め(その多くは、環境映像の真摯な環境映像記録作業に対しての減り続ける予算の制約下にある)、われわれの注目と行動とを要する、複雑にからみあったくもの巣のような問題に焦点を当てる。

観客のみなさんなくしては、この映像祭は成り立たない。
それぞれの作品がもたらす視覚的な体験をみなさんと共有する機会を楽しみにしている。