THE BIG ISSUE JAPAN 90号より その2

山村に暮らす人々は「森の守り人」 大野晃

田んぼや畑を耕作する人がいなくなって
山の管理をする人がいなくなってしまう
山そのものがどんどん荒廃していく

山の赤土が流れ込んでくれば海が磯やけを起こし
海草や貝類が取れなくなる
それを食べる魚もいなくなる

台風や集中豪雨があれば上流に降った雨が
一気に下流へ到達しそれが鉄砲水になって
都市災害を引き起こす

21世紀はカントリー・ルネサンス(田園再生)の時代
都会の人たちが山村のごちそうを食べ
まわりの自然を見ながら、ああよかったなと
また都会や職場に戻っていく

そういう自然環境の豊かさというのが
益々重要になってくる
採算の合わないものを切り捨てていく経済効率至上主義では
教育的・文化的機能を持っている
山の自然は切り捨てられるし
環境保全の重要性も切り捨てられてしまう

<春になるとナズナ(ペンペン草)で遊んだものでしたが、
今ではそんな習慣も失われつつあるようです>