ユニ育ライター こがにです♪
3月24日にホテルニューオータニで開催されました
「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」に参加してきました。
シンポジウムに参加した方々の発言は、私のブログに書いた通りなのですが。
日本の社会保障のあり方を考える意味でも、非常に興味深い内容であったこと。
また、ADA法のあるアメリカは・・
「すべての人が誇りを持って生きられるようになること。それが、国防の第一歩」と、米国防総省CAP理事長のダイナー・コーエンさんの発言にあったように、
「技術と設備を整備することで、優秀な人たちの能力を活かす」という発想。
日本とアメリカとは、社会保障の考え方そのものが大きく異なる
・・・ということを、感じました。
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このシンポジウムでは、日本版ADA法である「ユニバーサル社会基本法」制定に向けて
ユニバーサル社会への思いを、政治・経済・司法に携わる方々が意見を述べているのですが
もし、このユニーバサル社会基本法が制定された場合。
いわゆるチャレンジド(障害者)の雇用が促進される上に、地域で暮らす環境整備が
法的にも保障されることで、在宅で暮らすチャレンジド(障害者)の支援も行き渡る!
参加者の発言を聞きながら、それを予感させる法律であるようにも思えたのですが。
ただ、1つ!
私は「介護者の人権」というものに誰もふれていなかったことが気になっています。
例えば、このシンポジウムの進行役でもあった竹中ナミさんから、
「プロップステーションでは、家族で介護が必要とされている人も、仕事をしている」という
発言がありました。
確かに身体に重度の障害がある人も、介護を受けながら在宅で仕事ができるという意味では
非常に大きな意味があります。
でも、その家族はどうでしょう?
在宅で暮らすALS(筋萎縮性側索硬化症)の場合は、ヘルパーも痰の吸引が認められています。
また、学校看護師のいる特別支援学校では、「痰の吸引」「栄養剤の注入」「導尿」の3行為のみ
教員にも医療的ケアが認められています。
けれども、在宅で暮らすそれ以外の疾患の場合。また、ヘルパーのいない時間帯などの場合。
同居する家族に、その負担が一気にかかります。
特別支援学校でも、決められた3行為以外の医療的ケアが必要な場合、
やはりここでも、家族の介護負担は軽減することがありません。
24時間、休む間のなく介護を強いられている家族。
もしチャレンジド(障害者)の就労のチャンスが、そういった家族の疲労困憊のもとでの就労であった場合
それは必ずしも、本当の意味でのユニバーサル社会とは言えない部分があると思われます。
医療行為の根源である医師法第17条の解釈が変わらなければ、
このユニバーサル基本法が制定されても、在宅の主たる介護者である家族の人権は守られない。
このあたりも含めて、今後は法律の解釈に一石を投じなければならないかもしれません。
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また、「介護者の人権」という意味では「介護報酬」という面で、
まだまだ考慮すべき問題が山積しています。
例えば、若い介護職員(ヘルパー)の年収が200万円台であるという現実。
確かに、介護報酬を引き下げることで、国はこれからの高齢化社会の財源を
しっかり確保できるかもしれません。
けれども、それによって得られるスタッフの報酬は、労働と見合うものでしょうか?
「安ければいい」という理由だけで、今後はこの「介護」の部分を、
海外からの労働者に頼ろうとしていないでしょうか?
現場のスタッフは、いくら介護にやりがいを感じていても、
結婚して家族を養うことができないという理由から
「男性職員の結婚退職」が後を絶たないということも、問題となっています。
しかも、厚生労働省が行った診療報酬の改定によって、大学病院でも看護師不足が問題となっている今。
福祉や療育現場でも、その余波を受け慢性的な看護師不足となっています。
やる気のあるスタッフがどんどん去り、募集してもヘルパーやスタッフが集まらないという現状は、
「ホスピタリティ」とか「ボランティア」という体裁の良い名前の精神論だけでは、
絶対に解決しない福祉の現実を、映し出しているのかもしれません。
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このシンポウジウムでも取り上げられた「ユニバーサル社会基本法」(仮)は、
▼国民一人ひとりが、その個性や能力を生かして活躍できる環境を整備することにより
個人を元気にしよう
▼個性や能力の違う個人が、互いに助け合うことにより生きやすい、
暮らしやすい環境を生み出し、地域や職場を元気にしよう
▼個人と地域や職場が元気になることにより日本を元気にしよう
こうした考え方を取り入れた法律です。
障害の種別や年齢、男女の性差・・・という各分野の壁を取り払ったトータルな法制は、
これからの社会の考え方を根底から変える、非常に意味のある法律です。
けれども、医療の高度化によって、どんなに重度な障害があっても
在宅で暮らすことが可能となっているからこそ!!
私たちは、チャレンジド(障害者)だけではなく
それに関わるすべての人たちがHAPPYになることを考えていかなければならないのではないか?
そんな風にも、感じています。
何はともあれ、このユニバーサル社会基本法が日本という社会を牽引することで
「日本が元気になる!!」。
プロップステーション理事長でもあり、この法律の起草委員でもある竹中ナミさんの
力強い宣言が、とても印象的でした。
この法律が制定された日本は、これからどうなるのか?
ユニバーサル育児、略して「ユニ育」母ちゃんの1人でもある私は、
この法律の行く末が、楽しみで仕方がありません。
さあ、日本の社会は、法律によってどうなる??そして、私たちはどうする???
★お読みいただき、ありがとうございました