カナダの寄付戦略(後編)

(前編からの続き)
キューバから帰るトランジットで1泊滞在しただけのバンクーバー。
今回は、バンクーバーのコミュニティマーケットについてご紹介します。

写真は、市街地にあるコミュニティーマーケット“ケイパーズ”。

広さは、日本の一般的なスーパーと同じくらいです。

ここの商品は生鮮野菜から医薬品、生活雑貨全般まで、みなオーガニックのものが揃います。

地元野菜のサラダバーや手作りメニューのカフェも併設されていて、多くの人で賑っていました。

でも、「コミュニティーマーケット」ってなんだ?

なるほど確かに店の脇には、地域の催しや、みのお市民活動センターのハッピー掲示板のような人材マッチングの情報が貼られたパネルがありました。

しかし、これだけでコミュニティーマーケットとは、私は認めません(%怒る男%)

さらに店内をウロウロしていると、

支払いが済んだ後の商品をカバンに入れる台のところに,気になる3つの箱が・・・

これは、「レジ袋いりません」と断ったら渡される黒いメダルを、3つの分野から選んで投票する箱です。メダル1枚につき約5円が、地域で活動するその分野の草の根団体に寄付されるしくみです。(日本でも似たような仕組みのものがありますね)
その時の3つの分野は、若者の環境活動、野生動物の保護、
そしてgather and give(集めて与える?わかりません)の3つでした。

あと、その脇に深いワゴンが置いてあって、“Food Bank Donation”と書いて ありました。これは、余った缶詰食品などを入れると、それが食べ物に困っている人たちに届けられる仕組みのようです。つまり食べ物の寄付ですね。

HPを見ると、このお店は市内に4店舗を構え、30以上もの草の根団体を支援しそして連携しているそうです。

他にも、5%Day プログラムといって1日の売り上げの5%を、選ばれた団体に寄付する取り組みを年4回行ったり、従業員が年間52時間まで地域のボランティア活動に有給(自給1200円)で参加できたりと、
「コミュニティマーケット」の看板に偽りなしの地域密着っぷりなのでした。

バンクーバーには1泊2日滞在しただけですが、自転車であちこちまわって見た限りでは、市民活動が日常に近いところにあって、ファンドレイジングの意識も高い。市民が社会参加意識を持っている。そんな印象を受けました。かなり断片的な知見ですが。

ちなみに、バンクーバーは英エコノミスト調査機関が環境・教育・福祉・インフラなどの様々な観点から選んだ「世界で住みやすい街ランキング」で、世界127都市中、1位に選ばれています(2005年)。

私の受けた印象は、あながち外れてないかもしれません。

以上、タイトルとちょっと逸れましたが、カナダ報告でした。
(バンクーバーのすばらしい自転車交通政策紹介も、また機会があれば)