社会は悪くなっている?

ボランティアスタッフY

「少年の凶悪犯罪が多発している」
「子どもが被害にあう殺人事件が多発している」
昨今のマスコミの報道から、
こうした不安を感じている方が多いのかもしれません。

実際のところ、どうなのでしょうか。
「「こころ」はどこで壊れるか」(滝川一廣著、洋泉社新書)によると、
少年による殺人事件は、
1950〜60年の400件をピークに減少の一途を辿り
1980年からは現在まで100件程度とピーク時の4分の1になっています。
「少年殺人が騒がれるのは稀少な現象になったから」
「ベースラインがきわめて低くなったため、短いスパンで見るかぎり、
わずかな増加も増加率上は激増と見える」と著者は言っています。

戦前のころがよかったと言っている人も一部にはいますが、
先に上げた本や、「戦前の少年犯罪」(管賀江留郎、築地書館)を読むと、
凶悪で不可解な少年犯罪を報じた戦前の新聞記事がたくさん載っています。
少年犯罪は現代になって凶悪化したものでないことがよくわかります。

また、子どもの犯罪被害件数ですが
子どもの犯罪被害データベースによると、
就学前の子どもの殺人被害数は
1975年の377人をピークに減り続け、2007年は59人となっています。
強姦被害数も同様です。

イメージや空気のようなものに惑わされるのではなく、
客観的なデータをきちんと集めて、冷静に考えることの大切さを感じます。

<チューリップがきれいです>