「こころ」はどこで壊れるか—精神医療の虚像と実像より その3

滝川一廣著 佐藤幹夫編 洋泉社刊

「こころ」とは不自由なものでそれが本質だと思うのです。
そうすると折り合いの問題になります。
不自由な我が「心」といかに折り合いながらつきあってゆくか
たとえば不自由な「心」と折り合うかわりに無理に何とかしようとすると
オウムに行ってしまったりするわけでしょう。解脱したいとか。

折り合うとは言い換えれば「悩む」ということです
折り合うとは100%満足な状態ではありませんから
ただその悩みを抱えている状態をも含めて不自由さと折り合いが
ついていれば良いわけです

しかも難しいことに「こころ」は自分の内なる世界であるばかりでなく
外との関係の世界でありますから
うちだけで折り合ってもうまくいかないわけで
内外二重の折り合いが求められます。大変でしょう
私たちはこういう厄介なものを抱えて生きていますから
精神失調はある頻度以上で必ず起きることなのです

<オダマキが美しいです>