「こころ」は誰が壊すのか その3

かつての嬰児殺のデータを見ても少年犯罪のデータや
青少年の自殺率のデータを見ても
かつて子どもたちのおかれた子育ての水準は現在よりずっと低くて
子育てにも失敗がはるかに多かったことを示唆しています

こう考えて浮かび上がってくるのは社会全体が子どもを手厚くケアし
大事に大事に育むのが当たり前になった現在だからこそ
そこから外れた子育てが大きなコントラストをなして
問題性として浮き上がってきたのではないかということです
全体がラフだった昔であれば問題にされなかった子育てでも
今はアビューズと認知されるようになったのでしょう

子育ての一般水準が向上したぶん
子育てへの社会的要求水準がとても高くなったのです
「増加をたどる児童虐待」という通念は錯覚でしょう
ましてや「家庭の子育て機能の低下」「親子の絆の希薄化」が
社会に進行しているように捉えるのは
逆立ちした現実誤認のような気がします

<ツツジの花がきれいです>