お里帰りした能面

今日は、いわきアリオスの主催事業
「いわき能」の公演でした。

この公演は、いわき市と、宮崎県延岡市の
兄弟都市締結10周年を記念して行なわれたものです。
江戸時代の第六代藩主・内藤政樹公が磐城(いわき)から
延岡に移られたことで、歴史的にとても深い関係があります。
このような“兄弟都市”を締結している都市は全国でも
珍しいそう。

今年は、内藤公が延岡にお移りになって260年。
その時にきっと、一緒に延岡に向かったであろう
能面がいわきに「里帰り」してきました。

今回の公演で使われた
「小面(こおもて)」
「怪士(あやかし)」
の二面の能面は、能楽を愛した内藤家旧蔵のもので、
いずれも400年ほど前につくられたものだそうです。
延岡市の増田さんが、大切に大切に運んで来てくださいました。

この小面には「剥落模写」がされていて、
模写された元の能面の傷や欠けた部分、埃までも
模写してあるとのこと。

こちらの怪士の面の作者と伝えられている角坊光増は、
豊臣秀吉から「天下一」の称号を与えられた名人です。

普段は能楽師の方しか見られない能面の裏側。→
見づらいですが、左上に「天下一若狭守」の焼印が。

260年ぶりにいわきに里帰りした2面の能面は、
新しくできた劇場で満席になった客席を前に、
何を思ったのでしょうね。