6月22日(日)より、
朝日新聞教育面「あめはれくもり」のコーナーで、連載が始まりました!!
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6月22日
「子どもの心受けとめたい」加藤志保(1)
プルル、プルル、電話が鳴る。
——はい、チャイルドラインです。
「もしもし、あの、なにをはなしてもいいんですか。」
——はい、どんな話でもどうぞ。
「なまえをいわなくてもいいんですか」
——いいですよ。
「あの……。」
18歳までの子ども向け電話相談、チャイルドラインでは、静かに電話の
前で待つおとなを「受け手」と呼ぶ。ためらいがちな子どもの気持ちを受
けとめるため、私たちは電話の前に座る=写真。
各地にあるチャイルドラインが子どもたちに渡すカードには、(1)名前はい
わなくていい(2)ヒミツはまもるよ(3)どんなことでもいっしょに考える(4)切
りたくなったら切っていい、と書かれている。お説教抜き、指示抜きで、子ど
もの気持ちを受けとめる電話だ。
チャイルドラインには年間13万5千件を超える子どもの声が寄せられる。
1日平均で約370件。それだけの子どもたちが、みずから選んで私たちに電
話をかけてきているということだ。
プルル、プルル……今日も話す場を求めて子どもたちが電話を手にとる。
◇かとう・しほ 98年に世田谷チャイルドラインに参加。00年からNPOチャ
イルドライン支援センター事務局長。33歳。